福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

今日12日は初庚申です。

2021-01-12 | 法話

今日12日は初庚申です。

初庚申とは、その年最初の庚申(かのえさる)の日。庚申は帝釈天の縁日で、その日は庚申待ちが行われていました。大阪四天王寺・柴又帝釈天、巣鴨庚申堂猿田彦大神(附近には庚申塚駅)京都では、猿田彦神社 (山之内庚申)、大黒山金剛寺庚申堂(八坂庚申堂)、尊勝院粟田口庚申堂が京都三庚申と言われるようです。

以前福聚講で目白不動をお詣りしたときは、境内には倶利伽羅不動庚申という珍しい庚申塔がありました。

 

https://blog.goo.ne.jp/fukujukai/e/1472a40a3df2429d248264d4cd0b2bdf

 

庚申信仰は奈良時代に中国から伝わったとされますが、古典文学にも多く出てきます。

「枕草子」には「庚申させたまふとて、内の大臣殿、いみじゅう心まうけさせたまへり。夜うちふくるほどに 題出だして 女房に歌詠ませまたふ。」とあり、

 

「源氏物語・第五十帖 東屋」には「をかしきさまに 琴笛の道は遠う、弓をなむいとよく引ける。 なほなほしきあたりともいはず、 勢ひに引かされて、 よき若人ども、装束ありさまはえならず調へつつ、腰折れたる歌合せ、物語、庚申をし、まばゆく見苦しく、遊びがちに好めるを、この懸想の君達・・」とあり、

 

「栄花物語」にも庚申待ちの夜のことが記述されています。

「はかなく年もかへりぬ。正月に庚申出で来たれば、東三条殿の院の女御の御方にも、梅壷女御の御方にも、若き人々、「年のはじめの庚申なり。せさせたまへ」と申せば、さはとて御方々みなせさせたまふ。男君達、この女御たちの御はらから三所ぞおはします。「いと興あることなり」「いとよし」「こなたかなたと参らんほどに夜も明けなん」などのたまひて、さまざまの事どもして御覧ぜさせたまふに、歌や何やと、心ばへをかしき御方々の有様よりはじめ、女房たち、碁、双六のほどの挑みもいとをかしくて、「この君達のおはせざらましかば、今宵のねぶりさましはなからまし」など聞こえ思ひて、たびたび鶏も鳴きぬ。院の女御、暁方に御脇息におしかかりておはしますままに、やがて御殿籠り入りにけり。「今さらに」など人々聞こえさすれど、「鶏も鳴きぬれば、今はさはれ、なおどろかしきこえさせそ」など人々聞こえさするに、はかなき歌ども聞こえさせたまはんとて、この男君達、「やや、ものけたまはる。今さらに何かは御殿籠る。起きさせたまはん」と聞こえさするに、すべて御いらへもなくおどろかせたまはねば、寄りて、「やや」と聞こえさせたまふに、ことのほかに見えさせたまへれば、ひきおどろかしたてまつりたまふに、やがて冷えさせたまへれば、あさましうて、御殿油とり寄せて見たてまつらせまたへば、失せさせたまへるなりけり。」

 

密教では青面金剛が庚申とされ、密教辞典には次のようにあります。

「陀羅尼集経・大青面金剛呪法」には五方の五帝薬叉のうち東方青帝薬叉神を青面金剛と称し、台密の所傳。後に道教の庚申の本尊とするのは、道教の上帝を仏教の帝釈天と同体とし、その家臣が青面金剛という。悪魔・病魔・風雷などの難を除く真言により道教の司命神に拝する。「陀羅尼集経・第九」によると、「一身四手、左辺の上手は三叉を把る。下手は棒を把る。右辺の上手は掌に一輪を拈し、下手は羂索を把る。其の身は青色、面に大いに口を張り、狗牙は上出し、眼は赤きこと血の如く、面に三眼あり、頂に髑髏を戴き、頭髪は竪に聳え、火焔の色の如し。頂に大蛇を纏い、両膊に各、倒に懸ける一龍有り。竜頭は相向う。其の像、腰に二大赤蛇を纏う。両脚腕上に亦大赤蛇を纏い、把る所の棒状も亦大蛇を纏う。虎皮を胯に縵す。髑髏の瓔珞、像の両脚下に各、一鬼を安ず。其の像の左右両辺に各、当に一青衣の童子作るべし。髪髻両角、手に香炉を執り、其の像の右辺に、二薬叉を作る。一は赤、一は黄、刀を執り索を執る。其の像の左辺に二薬叉を作る。一は白、一は黒。銷を執り、叉を執る。形像並びに皆甚だ怖畏すべし、云々」

 

ご真言は「おんでいばやきしゃ ばんだ ばんだ かかかか そわか」

 

以前は道祖神として村々の境に疫病退治に祀られていました。

 

https://blog.goo.ne.jp/fukujukai/e/d89f9d4f71fb11d8c3b9f20174f025b1

 

 

 

 

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