福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

四国八十八所の霊験・・・その77

2018-12-15 | 四国八十八所の霊験
最初の時は木のみをくれた若者とは早々に別れ、80番国分寺へ向かって歩きはじめました。
数時間歩いた後、念のためむこうから来たおじいさんに道を聞きました。
すると「この道を行くと回り道で山越えになるよ、いけないことは無いけど」といいます。
「おかしいことを言う人だ。81番白峰寺へ行くならともかく80番へは田圃ばかりで山など無いはずなのに。」と思い、適当にお礼を言ってなおもどんどん歩きました。
 そのうち地図の次のページを開くとなんと自分は81番白峰寺への道を歩いていたのです。
先のおじいさんの言う通りでした。これから予定していた80番国分寺に行くと10数kmを2度往復することになります。
しかし81番を先に行ってもまた81番の近くに82番根来寺があるので、また80番から10数km戻るもどることになります。

 どちらにせよ大変な大回りをすることになった訳ですがまあこれも修行です。
それにしてもこのロスはショックでした。




歩きに歩いて重い足どりで81番白峰寺の麓の急坂を登り始めると乗用車が近付いてきました。
中に三人の老婦人がいて「お接待させていただけるでしょうか」といいます。丁度同じ80番81番82番と廻ることにしているが、良ければどこまででも乗せますというのです。
好意に甘えて途中まで、乗せてもらいました。

 中にいたのは80才というおばあさんとその娘さんです。
地元の人ですが折りを見て車で廻っているということです。
元気なものです。
80才でお四国参りができればこんな有難いことはありません。
おばあさんは単刀直入に聞いてきます。「僧侶の方とおみうけしたので乗っていただきました。なにを拝んでおられますか?」。
 「一言でいえないんですが要はお大師様にお礼にきたんです。私のようなものが今日までやってこれたのはお大師様のお蔭なんです。
でも途中でいろいろな人に出会い多くの縁のあった人の幸せも祈ることにしました。
でもあまり願い事がありすぎて、今ではただ拝むだけになっています。」と答えました。
さらにいえば仏道成就が願いなのですがなかなかそういうことまでいえません。
 
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