・「朝日新聞刊「ふらり巡礼」「(昭和31年四国37番岩本寺住職の話)関節炎で歩けなくなり松葉杖で母と遍路に出た15才の少年が37番の近くで野宿していた。この子が明方「はやく来い」「はやく来い」とよばれた気がした。みるとお大師様のような人が手招きしておられる。さっと飛び起きて走っていったがあまりにありがたいので駆け戻り母を揺り動かして「はやくいこう」とせがんだ。母が眼を覚ましてみると少年は杖なしで立っていた。
二人は抱き合ってうれし涙にくれたということがあった。」
・かくいう私も、平成20年3回目の四国徒歩遍路のときは逆打ちで六十七番大興寺から未明に六十六番雲辺寺へ上ってきたのですがここにはとても書くにかけないありがたく勿体無い出来事が起こりました。5月4日でした。生涯、いや生まれ変わっても忘れることはできない有難いことでした。ここにはとてもかけません。遍路の本懐を遂げたといっても過言ではありません。衛門三郎の伝説は真実だったと確信できました。