共業とは
2021-01-12 | 諸経
結論は、共業とは宇宙を輪廻させる衆生の業ということです。
望月仏教大辞典には共業は「共通の業の意。不共業に対す。即ち自他共用の器世間の果を感ずる衆生共通の業因をいふ。大毘婆沙論百三十四に「有情の類、この處所において共業増長すれば、世界すなわち成じ、共業もし尽くれば世界すなわち壊す」といひ、大乗阿毘達磨集論第四に「云何が共業なる、若し業よく諸の器世間をして種々差別せしむ」といひ、また「或は復た業あり。諸の有情をして展転して増上せしむ、この業力によりて諸の有情をして更互に相望して増上縁となる、彼互に増上力有るを以ての故にまた共業と名く」と云へるこれなり。しかるにこの器世間は誰の共業の所感なりやといふに、成唯識論第二に・・器世間の将に壊せんとするときにはすでに現居および當生の者なく、また諸の異生の有色を厭離して無色界に生じたる者は現に色身なきがゆえに豫め當生の欲界等を変為するもその用なく、又設ひ無色界に色身ありとするも異地の器界と麤細懸隔して相依持せず、故に設ひそのところに住せずして他の三千界に生ずるものも苟も同界同地なれば凡べてまた此の土を変為すすることを得るべしとせり。ただし倶舎論には共業を因の自体とし、唯識にて共業は共相種子を助けてそれをして現行せしむる増上縁に過ぎずとなせり。」とあります。