福聚講

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地蔵菩薩三国霊験記 5/14巻の1/17

2024-07-27 | 先祖供養

地蔵菩薩三国霊験記 5/14巻の1/17

地蔵菩薩三国霊験記巻之五目録

  • 一、佉羅陀山事
  • 二、喬提長者が家の悪鬼を救ひ玉ふ事
  • 三、唐の法聚寺地蔵の像の事
  • 四、同じく善寂寺の像の事
  • 五、尼僧徹の事
  • 六、王氏霊験を得る事
  • 七、母、女(むすめ)の方便に依りて往生の事。
  • 八、伽藍を汚す罰の事。
  • 九、常燈を犯す罪業の事。
  • 十、願に随って益を得の事。
  • 十一、生身の盲目開く事
  • 十二、火印地蔵の事
  • 十三、比丘身を現じ頓寫したまふ事
  • 十四、無実を免る霊験
  • 十五、漂流の人を救玉ふ霊験
  • 十六、天上見て人間に下る事
  • 十七、夫婦和楽地蔵の神力に依る事

 

 

一、佉羅陀山

十輪経に云、佉羅陀山は牟尼仙所住の處也(大方廣十輪經卷第一序品第一「於佉羅堤耶山牟尼仙所住處。是諸大雨皆悉遍滿。大陰雲雨而雨香華衣服瓔珞。亦説種種無量法音」)。地蔵菩薩此に住し玉ふ。或は云く、南天竺に山有り、佛陀波利山と名く。此の山の東方六十里に摩訶陀國、伽奈城の南方を去る事五十里にして伽羅陀山有り。高さ九百四十丈(2,000メートル弱)廣さ七百二十丈、皆七寶を以て躰と為す。地蔵菩薩其の山に住して衆生を教化し玉ふ。殊に無佛世界の導師として有情を度脱すと云々。されば一切の菩薩も此の所に集まり諸の智仙皆此の山に住し在す。地蔵薩埵は十方世界の中に百千の身を現じ一身ごとに百千億の人を度脱し三宝に帰依せしめ成仏せしめ給ふとなり。等覺無垢の大聖は十方恒沙にいませども別して末代無智の我等がために慈悲深くましますは地蔵薩埵にて御座す。凢そ諸佛菩薩の内証は皆自性法身毘盧の全躰にてあるなり。今この菩薩は中心不動阿字の本躰と云々(溪嵐拾葉集「地藏不動一體事、經云。時二童子侍立左右ニ。一ニハ名掌善ト。左右白色ナリ。持白蓮花調御法性。一名掌惡。左右赤色。持金剛杵降伏無明。佛號大衆汝等。當知。是二童子法性無明兩手兩足。延命菩薩中心不動阿字本體」)。教主釈迦尊も彼の悲願を鑑み玉ひ、我滅後弥勒出世の前の人天を地蔵菩薩に付属し玉へり。然れば諸の菩薩何に親疎を論ずべきにはあらねども、彌陀の教法の貴きも未然に益すくなかるべし。六八の悲願(四十八願)たるや遥かに十万億を隔たり、三心(阿弥陀仏の浄土に往生する者が持つべき三種の心で、至誠心・深心・回向発願心のこと)念佛の機ならずば摂取の光明にもれぬべし。機感相應の日は諸仏の利益なきにはあらざれども、此の菩薩は諸の佛菩薩に超過す。さるから浄土にも居し玉はず。入滅をもとなへまさず。唯悪趣を以てすみかとし罪人を友とし玉ふ。釈迦大聖すら三乗根性の熟するをうかがひて八相の儀を示し、彌陀の弘願たるも念佛衆善の功つもれる・目のきざみもぞ三尊の来迎をもたれ給へ。此の薩埵は機の熟不にもよらず臨終の夕をもいわず長(とこしなへ)に六道の街に立ち且暮に四生の輩にそふて縁なき衆生だも救ひ玉ふ。一塵一沙の善を修するものあれば、龍の水を得、虎の山によるが如し。八寒八熱の苦をぬき、人中天上諸佛の浄土へをくり給ふ。誰人か此の尊に功を入れ志をはこばざらん。且亦折受の二門(摂受・折伏)を具足し玉ひ文以て六趣四生を治化し、武以て三障四魔の軍(煩悩障・業障・報障。陰魔・煩悩魔・死魔・天子魔。)を除滅し玉ふ事、諸尊にすぐれ給へり。下愚の身なれば散乱の心を以て念佛すとも中々摂取にあずかりがたし。今此の薩埵は毎朝恒沙に入り十方を定め済度し玉へば、或は我等が閨の内にも来り玉ひて麁動の称名をも天耳の聞をなし不信の礼拝をも佛眼明らかに照らし玉ふらんとぞ。されば一念も皈依し奉らん利益何の疑かあるべき。

 

 

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