福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

観音経の解説4/28

2016-02-04 | 諸経
4、由是菩薩威神力故。若為大水所漂。称其名号。即得浅処。
若有百千万億衆生。為求金。銀。瑠璃。車渠。瑪瑙。珊瑚。琥珀。真珠等宝。入於大海。仮使黒風吹其船舫。飄堕羅刹鬼国。其中若有乃至一人称観世音菩薩名者。是諸人等。皆得解脱羅刹之難。
「是の菩薩の威神力に由るが故に。若し大水に漂わされんに、其の名号を称せば、即ち浅き処を得ん。(七難の内第二難がこの水難。水は愛欲を表す、南無観世音菩薩と唱えれば愛欲の難からも逃れることができる)」 
「若し百千万億の衆生有りて、金・銀・瑠璃・車梁・瑪瑙・珊瑚・琥珀・真珠等の宝を求んがために大海に入らんに、仮使(たとい)黒風其の船舫を吹きて、羅刹鬼の国へ飄堕せんも、其の中に若し乃至一人有りて(中のたったひとりでも)観世音菩薩の名を称せば、是の諸人等皆、羅刹の難を解脱することを得ん。(七難の内第三難がこの羅刹難。人生の大海において、(金・銀・瑠璃・車梁・瑪瑙・珊瑚・琥珀・真珠に譬えられる、七宝財すなわち)信・進・戒・聞・捨・定慧・慚を求めて様々な風雪の難にあっても,観音様の名を唱えれば救われる)」
・「坂東観音霊場記」の著者亮盛は桑名沖で時化にあい遭難しかかったとき観音経をあげ坂東を巡り霊場記をあらわすことを観音様に誓約して難を逃れている。
・海軍中将の佐藤鉄太郎は日露戦争直後咸鏡道鍾城付近で大吹雪に逢い目標として航行していた「無水端」を見失い遭難必至となった。佐藤中将は観音信者であり「念彼観音力」と唱えようとしたが人前では恥ずかしくて声を出せない。一人で艦橋の上の海図台のところまでいき、雨覆いをすっぽりとかぶって一生懸命普門品を唱えた。漸く唱え終わって覆いから頭を出した瞬間西方はるか三哩くらいに目印の「無水端」が一瞬見えてすぐに吹雪にかき消された。そこで佐藤中将は航海長を呼び進路を指示して遭難を免れた、ということがあった(観音の霊験・中根環堂)。


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