福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

Q,十八空とは

2014-04-05 | 永山國昭博士の福聚講通信
Q,十八空とは

A、大智度論巻四十六に在ります。

復次に須菩提。菩薩摩訶薩に復た摩訶衍あり。所謂、内空・外空・内外空・空空・大空・第一義空・有爲空・無爲空・畢竟空・無始空・散空・性空・自相空・諸法空・不可得空・無法空・有法空・無法有法空なり。須菩提、佛に白して言さく。「何等をか内空となすや」。佛言く。「内法とは眼耳鼻舌身意に名ずく。眼の眼とすは空なり、常に非ず滅する故なり。何以故。性として自ら爾ればなり。耳の耳とするは空なり。鼻の鼻とするは空なり。舌の舌とするは空なり。身の身とするは空なり。意の意とするは空なり。常にあらず、滅に非ざるが故なり。何以故。性として自ら爾ればなり。是を内空と名ずく。何等をか外空と為すや。外法は色・聲・香・味・觸・法に名ずく。色の色とするは空なり。常に非ず滅に非ざるが故なり。何以故。性として自ら爾ればなり。聲の聲とするは空なり。香の香とするは空なり。味の味とするは空なり。觸の觸とするは空なり。法の法とするは空なり。常に非ず、滅に非ざるが故なり。何以故。性自爾。是を名ずけて外空とす。何等をか内外空となすや。内外法は内の六入・外の六入に名ずく。内法の内法とするは空なり。常に非ず非滅に非ざるが故に。何以故。性自爾。外法の外法とするは空なり。常に非ず滅に非ざるが故に。何以故。性自爾。是を名ずけて内外空とす。何等をか空空となすや。一切法は空なり。是の空も亦た空なり。常に非ず滅に非ざるが故なり。何以故。性自爾。是を名ずけて空空とす。何等をか大空となすや。東方の東方とするは空なり。常に非ず滅に非ざるが故に。何以故。性自爾。南西北方・四維上下・南西北方・四維上下とするは空なり。常に非ず滅にあらざるが故なり。何以故。性自爾。是を名ずけて大空となす。何等をか第一義空となすや。第一義空とは涅槃に名ずく。涅槃の涅槃とするは空なり。常に非ず滅に非ざるが故に。何以故。性自爾。是を名ずけて第一義空とす。何等をか有爲空となすや。有爲法とは欲界・色界・無色界に名ずく。欲界の欲界とするは空なり。色界の色界とするは空なり。無色界の無色界とするは空なり。常に非ず滅に非ざるが故なり。何以故。性自爾。是を名ずけて有爲空となす。何等をか無爲空と為すや。無爲法とは名ずけて無生相・無住相・
無滅相と為す。無爲法の無爲法とするは空なり。常に非ず滅に非ざるが故に。何以故。性自爾。是を名ずけて無爲空と為す。何等をか畢竟空と為すや。畢竟とは諸法の至竟不可得なるに名ずく。常に非ず滅に非ざるが故なり。何以故。性自爾。是を名ずけて畢竟空となす。何等をか無始空となすや。若し法の初の來處は不可得なり。常に非ず滅に非ざるが故に。何以故。性自爾。是を名ずけて無始空と為す。何等をか散空と為すや。散とは諸法の無滅に名ずく。常に非ず滅にあらざる故に。何以故。性自爾。是を名ずけて散空となす。何等をか性空と為すや。一切法性、若しは有爲法性、若しは無爲法性、是の性は聲聞辟支佛の所作に非ず。佛の所作に非ず、亦た餘人の所作に非ず。是の性の性とするは空なり。常に非ず滅に非ざるが故也。何以故。性自爾。是を名ずけて性空となす。何等をか自相空と為すや。自相とは色の壞相・受の受相・想の取相・行の作相・識の識相に名ずく。如是等の有爲法・無爲法は各各の自相空なり。常に非ず滅に非ざるが故に。何以故。性自爾。是を名ずけて自相空と為す。何等をか諸法空と為すや。諸法は色受想行識・眼耳鼻舌身意・色聲香味觸法・眼界色界眼識界乃至意界法界意識界に名ずく。是の諸法の諸法たるは空なり。常に非ず滅に非ざるが故に。何以故。性自爾。是を諸法空と為す。何等をか不可得空となすや。諸法を求るに不可得なり。是の不可得は空なり。常に非ず滅に非ざるが故に。何以故。性自爾。是を名ずけて不可得空と為す。何等をか無法空と為すや。若し法の無なる、是れ亦た空なり。常に非ず滅に非ざるが故に。何以故。性自爾。是を名ずけて無法空と為す。何等をか有法空と為すや。有法とは諸法和合中に自性相あることなり。是の有法は空なり。常にあらず滅に非ざるが故に。何以故。性自爾。是を名ずけて有法空と為す。何等をか無法有法空と為すや。諸法中無法なると、諸法和合中、自性相有ると、是の無法有法は空なり。常に非ず滅に非ざるが故に。何以故。性自爾。是を名ずけて無法有法空と為す。


十八空を超訳すると以下のようになるでしょうか。

(1)内空(ないくう):眼耳鼻舌身意の六根は空である。
(2)外空(げくう):色声香味触法の六境は空である。
(3)内外空(ないげくう):内の六入(眼耳鼻舌身意)、外の六入(色声香味触法)は空である。
(4)空空(くうくう):空ということも空である。
(5)大空(だいくう):十方世界は空である。
(6)第一義空(だいいちぎくう):涅槃も空である。
(7)有為空(ういくう):三界は空である。
(8)無為空(むいくう):生住滅を離れた世界も空である。
(9)畢竟空(ひっきょうくう):諸法の至竟不可得の世界も空。
(10)無始空(むしくう):無始から存在するものも空である。
(11)散空(さんくう):法として存在するものも空である。
(12)性空(しょうくう):自性は空である。
(13)自相空(じそうくう):諸法の相も空である。
(14)諸法空(しょほうくう):諸法は空である。
(15)不可得空(ふかとくくう):諸法の自性は求めても得られないということも空である。
(16)無法空(むほうくう):法が無であるということも空である。
(17)有法空(うほうくう):法があるということも空である。
(18)無法有法空(むほううほうくう):法が有るということも無いということも空である。
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