福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

教甚深門安心消息・・沙門宣然

2014-04-07 | 法話
・・およそ一切衆生が六道を輪廻するというのは悪の因業によりて悪の果報を感じ、善の因業によりて善の果報を感ずるのである。・・・

衆生は無量の重罪ありて自力をもって往生することあたわず。

よって佛願、陀羅尼の二種の他力に乗ずべきに候。
初めに佛願の他力と申すは、およそ十方の衆生をたすけたまはんとて浄土を構へ、請願を立てたまふ。いわく、東方薬師如来は浄瑠璃浄土を構え十二大願を立てて衆生を引導したまふ。西方阿弥陀如来は極楽浄土を構へ四十八願をたてて衆生を引導したまふ。南方観自在菩薩は補陀落山の浄土を構へ三十三身済度の願を立てて衆生を引導したまふ。北方釈迦如来は霊鷲山の浄土を構へ衆生を引導したまふ。中央弥勒菩薩は兜率内院の浄土をかまへ当来下生の願をたてて衆生を引導したまふ。これらの菩薩をはじめとして無量の佛、請願を立てて衆生を引導したまふところの佛の願力は無量の神力を備えて不思議の功徳を施したまふ。

陀羅尼の功徳とは十方の佛、衆生を助けたまはんとて各々自内証の真言を説いて衆生に与えたまふ。真言と申すは一一の文字に無量の義をふくみ、一一の名言に無辺の功徳を備える。ゆえにもし信心徹底して陀羅尼に結縁するものは仮令無量の重罪ありとも、一時に消滅す。これ等の功徳は法力不思議の貌にして凡夫のおよぶところにあらず。
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