福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

地藏菩薩本願經卷上 觀衆生業縁品第三

2019-04-09 | 諸経
地藏菩薩本願經卷上 觀衆生業縁品第三(地蔵菩薩が無間罪と無間地獄を説く
爾時、佛母摩耶夫人、恭敬合掌して地藏菩薩に問うて言はく「聖者。閻浮の衆生は造業は差別あり、受くるところの報應其事云何」。地藏答言。「千萬世界ないし國土に、或は地獄有り或は地獄無し。或は女人有り或は女人無し。或は佛法有り或は佛法無し。乃至聲聞辟支佛も亦た復た如是。但だ地獄の罪報一等(ひとしな)のみにあらず。」摩耶夫人重ねて菩薩にもうす「且願はくは閻浮において罪報所感の惡趣を聞かん」。地藏答言、「聖母よ、唯願はくは聽受したまへ、我ほぼ之を説かん」。聖母白して言さく。「願はくは聖者説きたまへ」。爾時、地藏菩薩聖母にもうして言さく、「南閻浮提の罪報の名號は是の如し。若し衆生有りて父母に不孝或は殺害に至らば、當に無間地獄に堕して、千萬億劫に求出ることを求むれども期なかるべし。若し衆生ありて佛身より血を出し、三寶を毀謗り、尊經を敬はずんば亦た當に無間地獄に堕し千萬億劫に出ることをもとむれども期なかるべし。若し衆生ありて常住を侵損し僧尼を點汚し或は伽藍内において恣に淫欲を行じ、或は殺し或は害せん、如是等の輩は當に無間地獄に堕して千萬億劫に出ることを求むれども期なからん。若し衆生ありて僞りて沙門となりて心は沙門に非ず常住を破り用いて白衣(ざいけ)を欺誑し戒律に違背し種種の惡を造る、如是等の輩は當に無間地獄に堕して千萬億劫に求出ることを求むれども期なからん。若し衆生有りて常住の財物・穀米・飮食・衣服を偸竊み乃至一物も與えざるに取る者は當に無間地獄に堕して千萬億劫に出るを求むれども期なからん。」

地藏菩薩白して言さく、「聖母よ、若し衆生有りて如是の罪を作らば當に五無間地獄に堕して。暫く苦を停めんことを求むれども一念も得ざるべし」。摩耶夫人重ねて地藏菩薩に白して言さく、「云何が、名ずけて無間地獄と為すや」。地藏菩薩白して言さく、「聖母よ。諸有(あらゆる)地獄は大鐵圍山の内にあり。其の大なるものは一十八所有り。次に五百有り、名號各別なり。次に千百あり、名字亦た別なり。無間獄とは其の獄城の周匝八萬餘里、其の城は純鐵にして高さ一萬里、城上に火聚あり空缺あることまれなり。其の獄城中に諸獄相連なりて名號各別なり。獨り一獄あり名ずけて無間という。其の獄の周匝は萬八千里、獄の墻高は一千里、悉く是れ鐵をもってつくれり。上火は下に徹し下火は上に徹す。鐵蛇・鐵狗は吐火して獄墻の上を馳逐し東西に走る。獄中に床有り、萬里に遍滿す。一人罪を受くるに自ら其身を見るに遍く臥して床に滿てり。千萬人罪を受けるも亦た各の自ら身の床上に満ことを見る。衆業の感ずる所にして獲報如是なり。又諸の罪人備さに衆苦を受く。千百の夜叉及以び惡鬼は口牙劍の如く眼は電光の如し。手には復た銅爪ありて罪人を拖く。復た夜叉有りて 大鐵戟を執りて 罪人の身に中て、或は口鼻に中て、或は腹背に中て空に抛げて翻りて接し或は床上に置く。復た鐵鷹有りて 罪人の目を啗う。復た鐵蛇有りて 罪人の頸を繳う。百肢節内に悉く長釘を下す。舌を拔いて耕し腸を抽いてきざみきる。洋銅を口に灌ぎ熱鐵を身に纒う。萬死千生業感如是。動やもすれば億劫を經て出ることを求むれども期無し。此界壞する時は他界に寄生し他界の次に壞すれば他方に轉寄す。他方壞する時は展轉して相い寄す。此界成じて後、還りて復而た來る。無間罪報其事如是。又た五事の業感あり故に無間と称す。

何等をか五と為す。

一は日夜罪を受けて以って劫數に至る。時として間絶することなし、故に無間と称す。

二は一人亦た滿ち、多人亦た滿つ、故に無間と称す。

三は罪器叉棒・鷹蛇狼犬・碓磨鋸鑿・剉斫鑊湯(ざしゃくかんとう)・鐵網鐵繩・鐵驢鐵馬、生革首に絡い、熱鐵身に澆ぐ。飢えては鐵丸を呑み、渇しては鐵汁を飲み、年より劫を竟るまで數那由他。苦楚相い連なりて更に無間斷なり。故に無間と称す。

四には、男子女人・羌胡夷狄老幼貴賤、或いは龍、或は神、或は天、或は鬼を問わず罪行業感悉く同にして之を受く。故に無間と称す。

五には若し此獄に墮すれば初め入る時より百千劫に至るまで、一日一夜に萬死萬
生す。一念の間を求むれども暫くもとどまることを得ず。業盡きて方に受生を得るを除非す 。此の連綿を以ての故に無間と称す。地藏菩薩、聖母にもうして言さく、「無間地獄の麁説如是。若し廣く地獄罪器等名及び諸苦事を説かば一劫の中に説くことを求むれども不盡」。

摩耶夫人聞き已りて愁憂し、合掌頂禮して退く。
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