摩訶止観より
「円頓とは初めより実相を縁ず。境にいたるにすなわち中道にして真実ならざることなし。縁を法界に懸け念を法界に一(ひとし)うす。
一色一香も中道にあらざる事無し。己界および仏界、衆生界もまたしかり。陰入みな如なれば苦の捨つべきなく、無明塵労即ちこれ菩提なれば集の断ずべきなく、辺邪みな中正なれば道の修すべきなく、生死すなわち涅槃なれば滅の証すべきなし。苦なく集なきがゆえに世間なく、道なく滅なきがゆえに出世間なし。もっぱら一実相にして実相の他にさらに別の法無し。法性寂然たるを止と名け、寂にして常に照らすを観と名く。初後をいうといえども二無く、別なし。これを円頓止観と名く。
(円頓止観とは最初から完全な悟りの境地に至る瞑想である。あらゆるものは真理である。すべては真理であるから苦も無く、生死・迷いも真理であるから悟ることもない。すべてのものはそのままで真理である。)」
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