福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

ブータン訪問記 その5

2010-01-16 | 講員の活動等ご紹介
通常わたしは出張・旅行であまりお土産を買いません。これは、どんなものでもいまやあまり珍しくもないこと、かさばること、配るのが面倒なこと、などの理由からで、最近では気が向くと息子にTシャツを買うぐらい(暑いバンコクでは息子はTシャツばかり着ることになるので、いくらあってもいいという判断)。しかし、今回のブータン出張ではさすがに見るもの聞くものが珍しく、前述のコインのほか、親子3人お揃いのブータンTシャツ(ブータンのシンボルである雷龍の回りを十二支の動物が囲んでいるといういかにも幼児がよろこびそうなデザイン)、そしてタンカ=ブータンの仏画を買い込みました。

このタンカ、布のような素材にブータン仏教のテーマを描いたもので、いろいろなデザインがある。すべて手描きなため、けっこう高い。「うーむ、Uさんが言うように、こういうものはブータンで見るからいいのであって、バンコクや東京に持ち帰ると結構持て余すかなぁ」と思っていたわけです。ところがこのうちに、あちらこちらで見かけるデザインでいいものがある。鬼が車輪を抱えており、この車輪が「天国・餓鬼・畜生」など六道輪廻を細かく描いている。ひとつひとつが漫画チックで、しかも全体としての調和が素晴らしい。実は宿泊したホテルのロビー(というかフロント付近のソファがあるところ)にこれがあり、いつも「いいなぁ」と眺めていたわけです。で、いろいろな店でもついこれを見ていたわけですが、ある日政府公認のみやげ物屋で数枚これを発見。なにしろ手描きなため、うまいものと下手なものがあり、値段もすこしずつ違う。そのうちに自分なりに「鑑定ポイント」ができてきて、左上の如来像の表情と輪廻の中の地獄で首を切られている罪人の表情が満足できるものがいい、ということになってきた。で、「もしかするともう二度とブータンには来ないかもしれない。ここでこれを買わないと、バンコクや東京でものすごく後悔するかもしれない」と思い始め、とにかく店員に「もし持ち帰るとすると、どうするのか?なにか筒のようなものに入れてくれるのか?」と聞いたわけです。すると敵もサルもの「マネージャーに聞く」、すぐに偉そうなのが出てきて、「どれですか?これ?あ、筒に入れます」と、もうテキパキと作業開始。こちらとしては「買う」と言った覚えもないのですが、なにしろそもそも迷っていたところ、「まぁいいか」ということになった次第です。ちなみにお値段は8000ニュルタム。日本円にするとざっと2万7000円というところでしょうか(98年当時)。高いと言えばバカ高いが、手描き・ブータン・気に入ったデザインとなるとそうでもない、不思議な買い物でした。ちなみに同じ大きさでも2000ニュルタムというものもある。「なんでこんなに値段が違うのか」と聞くと「まず、デザインが細かいものは描くのに時間がかかる。それにこれは仏教上意義深いものだから」とのこと。確かに、安いものは例えば菩薩が真中にデーン!とあるだけとか、いかにも描くのが簡単そう。実は私が買ったもの以外にも、さらに大きくさらに高い「釈迦の一生」を描いたものがあったのですが、これは1万7000ニュルタム、5万7000円。流石にこれは買いませんでした。
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