福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

如来の加持力

2013-06-19 | 法話

今日市民農園で不思議なことがありました。いつも害虫駆除で虫を殺すことしか言わない農園の管理人が小さい虫が浮いて溺れている金盥をひっくり返して虫を全部逃したのです。周りの人には「ぼうふらがわいていけねえから」などど照れ隠しにいうのです。最近自分自身もささくれだった気持ちで通勤している最中に無意識に電車で席を譲ったり、カリカリして歩いていても街の浮浪者に金銭をあげたりすることがあります。
これらは意識してやっていることではないのです、突然そう行動してしまうのです。特に自分の場合は低レベルの気持ちに陥っているときにこのような善行を積む機会にめぐまれることが多いことに最近気が付きました。
そして昨日大日経疏を読んでいて入真言品第一に有名な「如来の日光も遍く法界を照らしてまたよく平等に無量の衆生の種々の善根を開発し、ないし世間出世間の殊勝の事業これによって成弁することをえるなり。・・」とあるところに至りハタと思い当るところがありました。何度も読んでいたのですが表面的に読み飛ばしていたのです。まさに今朝の農園管理人の行動、自分の無意識の行動などはこの大日如来様の働きかけをうけているのではないだろうかと思ったのです。

親鸞聖人は、「『他力』と言うは如来の本願力なり」(教行信証)と喝破されています。阿弥陀如来の本願力は常に我々の上に降り注いでいるとおっしゃっているのです。大日経にも有名な「以我功徳力(いがくどきりき)如来加持力(にょらいかじりき) 及以法界力(ぎゅういほうかいりき)普供養而住(ふくようにじゅう)」という言葉がでてきます。願いを叶えるには自分の功徳、如来のお助け、周囲の援助が必要ということでしょう。この「如来加持力」ということが本質です。如来はいつでも不断に我々の善根を伸ばして助けてやろうとされているということです。

最近いろいろな事象に出会うたびにこの「如来加持力」「如来本願力」に気つかされるのです。有難い限りです。
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