福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

佛説毘沙門天王功徳経

2024-07-04 | 諸経

佛説毘沙門天王功徳経

如是我聞 一時、仏が王舎大城竹林精舎にて大比丘衆 千二百五十人とましましき。
爾の時、阿難は 一心に合掌して仏にもうして言さく、『 如何なる因縁をもってか 此の毘沙門天王は 身に金甲を被り、左手に宝塔をささげ 右手に如意宝珠捧を取り捧げ、 左右の足下に羅刹・毘闍舎(らせつ・びしゃじゃ、共に食人鬼)鬼を趺むや』

仏阿難につげたまはく 『此毘沙門天王は 七万八千億諸仏の護持、仏法の兵士なり。
左手に宝塔をささげるは 普集功徳微妙と名ずく。
宝塔の内には八万四千の法蔵・十二部経の文義を具し、 然して見者は無量の智慧を得る。
右手に如意宝珠を取り棒げるは 震多摩尼珠宝(しんだまにしゅほう)と名ずく。 飲食・衣服・無量財宝を涌出す。身に金甲を被すは、四魔の軍を除かんがためなり。 両毘 は悪業煩悩を降伏せんがために趺む所なり。又た二鬼あり、 名ずけて藍婆・ 毘藍婆(らんば・びらんば)という。左脇に天女あり、大吉祥天女と号す。右脇に一童子あり、 禅尼子童子(ぜんにしどうじ)と名ずく。

若し人ありて毘沙門天王の体を見、名を聞いて心に念ずる者は 八万億劫の生死の微細の罪を除き、百千億の功徳を得て 仏位に至り 現在に無量の福を増長す。

仏阿難に告げてのたまはく、『毘沙門天王に仕えたてまつる者は 十種の福を得る。
一に 無尽の福を得る。 二に 衆人愛敬の福を得る。 三に 智慧の福を得る。 四 に長命の福を得る。 五に 眷属衆多の福を得る。六に 勝軍の福を得る。 七に 田畠能成の福を得る。 八に 蚕養如意の福を得る。 九に 善識の福を得る。 十に 仏果大菩提の福を得る。

若し人ありて毘沙門に仕えたてまつらんと欲する者は、 毎月元三日に 身を清め新衣を箸し、東北方に向かひて 毘沙門名号を称念すれば 大福徳を得ること決定して疑い無し。

即ち呪を説いて曰く、 ロ奄 吠室羅摩那耶 娑婆呵オン ベイシラマンダヤ ソワカ』

仏此の呪を説き已りて 大地震動して 毘沙門天王出来たりて大蓮華王座上に坐し 已りて、阿難に告げたまはく『我は此より北方 七万八千里を過ぎて 表あり、名ずけて普光という、 城あり名ずけて吠室羅摩那郭大城
という、八十億那由陀の大福聚あり、 我毎日三時に 此福を焼く。若し人ありて我が福を得んと欲せば、 五戒を持ち、三帰して 無上菩提を願求せば決定して施与して 一切於毘沙門の福を成就することを得ん。願ふ所は五種あるべし。 一は 父母孝養の為、 二は 功徳善根の為、三は 国土豊饒の為、四は 一切衆生の為、五は 無上菩提の為に願ふべし。若し人ありて此の五種の心を除いてねがうとも福を得るべからず。

若し人ありて死苦を受けると雖も 貧苦を受くべからず、 衆苦の源は貧苦に如かず、
福徳を得んと欲する者は 丑寅(北東)に向かひて 名号を一百八遍称ふれば 大福徳を得べし。
智慧を得んと欲する者は 東方に向ひて 名号を一百八遍称ふれば 大智慧を得べし。
官位を得んと欲する者は 辰巳(南東)に向ひて 名号を一百八遍称ふれば 官位を得べし。
よき妻子を得んと欲する者は 南方に向ひて 名号を一百八遍称ふれば よき妻子を得べし。
長命を得んと欲する者は 未申(南西)に向かひて 名号を一百八遍称ふれば 長命を得べし。
眷属衆多を得んと欲する者は 西方に向かひて 名号を一百八遍称ふれば 眷属衆多を得べし。
愛敬を得んと欲する者は 戌亥(北西)に向かひて 名号を一百八遍称ふれば 衆人愛敬を得べし。
悉地を得んと欲する者は 北方に向かひて 名号を一百八遍称ふれば 皆な悉く成就すべし。』

仏此経を説き已って、 千二百五十人倶く 皆大歓喜し 信受奉行しき。
仏説毘沙門天王功徳経」

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