復た次に四種の法熏習の義あるが故に、染法と淨法とが起り斷絶せざるなり。云何が四となすや。一は淨法。名ずけて眞如となす。二は一切染因。名ずけて無明となす。三は妄心。名ずけて業識となす。四は妄境界。所謂ゆる六塵なり。熏習の義は、世間の衣服は實は香り無きも、若し人香を以て熏習する故にち香氣あり。
此も亦た是のごとし。眞如の淨法は實に染無きも、但だ無明をもって熏習する故に則ち染相あり。無明の染法は實は淨業なきも、但だ眞如を以て熏習する故に則ち淨用あり。(復次に四種の薫習があるゆえに迷いと覚りが継続することになるのである。四とは何か。一は覚り。これは真実のありかたをいう。二にはすべての迷いの原因。これは根本無知をいう。三は妄心。根本無知の働きをいう。四は迷いの心が対象とする世界。色・声・香・味・触・法である。熏習というのは例えば、衣服自体には香りがなくても香を焚きしめると香気が付くようなものである。これと同じように真如の世界は本当は迷いとは無縁の世界であるが無明から働きかけられて迷うのである。他方無明には本来覚りの働きはないが常に真如からの働きを受けているので覚りの働きが出てくるのである。)
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