福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

今日は、神風により蒙古軍が壊滅し、弘安の役の終結した日です

2024-08-16 | 法話

今日弘安4年(閏7月1日)(1281年8月16日)
は、神風により蒙古軍が壊滅し、弘安の役の終結した日です。

八幡愚童記には叡尊上人が石清水八幡で修法をして「神風」をふかせたとあります。

「・・閏七月一日は思円上人(叡尊)高座に登り啓白を致し、人に物を言うが如く口説き申されけるは「異国の襲来は貴賤上下道俗男女一味同心の歎き、七道諸国の煩いなり。悲しいかな、三千余社の権実は神国を滅ぼし、十二部経大小の法門を失わん事を。たとえ皇運末になり、政道誠無くして神祇非礼を咎め、仏天虚妄をにくませ給う共、『他の国よりは我が国、他の人よりは我が人、いかでか捨てたまふべし。公家の勢い衰えて人民の力無む時』と誓い給いしは、今此の時に当たれり。早く霊威を施し、怨敵を退け坐べし。そもそも異国にこの土をくらぶるに、蒙古は是犬の子孫、日本は則ち神の末葉なり。貴賤相別れ、天地懸隔なり。神明と畜類と何んぞ対揚に及ばん。昔新羅の仰ぐ道行は、三帰五戒(帰依佛・帰依法・帰依僧、•不殺生・不偸盗•不邪淫•不妄語•不飲酒)の威力に過ぎざりき。今本朝のたのむ諸徳は二百五十の具足を全うす。尊卑遥かに別れ智行浅深あり。彼は一人、是は数輩。他国の財宝を奪い人民の寿命を滅す。仁義にも背き殺盗を兼ねたる非道と我が朝の佛法を守り社稷の神祇を敬い、五常(仁、義、礼、智、信)に随い十善を好む正理と三宝知見し、吾神照覧し給ふらん」と二時ばかり骨髄に通り心肝をくだいて懸河の弁舌湧き上がり心地の法水澄通る。大慈大悲の感涙を流し、香衣に汗を通して祈誠袂濡れるばかりに見え給う。満座首をうなだれ随喜の心余りあり。廟神定めて此の理を聞し召したまふらんと覚えるほどに、御宝殿の内はたと一声鳴る。さればこそ大菩薩御受納あるにこそと、諸人いよいよ信心を催す。
・・・
去る程、後七月九日の戌の刻に西国の早馬着いて申す。「去る七月晦日の夜半より、乾の風おびただしく吹き、七月一日には賊船悉く漂流して海に沈みぬ。大将軍の船は風以前に青竜海より頭を差し出だし、硫黄の香り虚空に満ちて異類異形の者共眼に遮りしに、畏れて逃げ去りぬ。残るところの船共は皆敗れて磯に上がり、沖に漂って海の面は算を散らすに異ならず。死人多重て嶋の如したり。「身没し、魂孤。望郷の鬼となること」雲海の濾水もなんぞこれに及ぶべき。鷹嶋に打ち上げられたる異賊数千人、船に離れて疲れ居たりしが、破船共に修ひて七,八艘に蒙古・高麗人は少々乗りて逃げ戻る。是を見て鎮西の兵共、少弐三郎左衛門尉景資をはじめとして、数百艘押し寄せたりしかば、船もなき異国人共は逃げるに及ばず、今はとて命をたばわず、散々に戦ひ、引き組て海へ入り、刺し違えて死ぬもあり、落ち重なって首を取る。射伏せ切伏せられて敵も味方もその数を知らず失せにけり。千余人降を乞ひしを搦め捕えて、中河の端にて首を切る。」とぞ馳せ申す。・・」

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