福聚講、今日の言葉

シュバイッツアー「生への畏敬」１９２３年

・我々の間にも無宗教を標榜する人は多い、そしてこれらの人々が無宗教になった理由についてはしっかりした宇宙観を持たないことや、精神的怠惰が原因の事もあれば、既成の宗教的宇宙観に安住できなくなったためという場合もある。生への畏敬の宇宙観ならびに人生観はこれら無宗教の人々に本当の意味で思考の裏付けのある宇宙観や人生観はどうしても宗教的にならざるを得ないことを教える。・・宗教的共同体の変革と同じく社会的政治的共同体の変革も第一義的にはわれわれの精神の内部から湧き起らなければならない。

・現代国家は物質的にも精神的にも未曽有の貧困状態にある。すべての精神的権威を喪失し、現実の力としての権威すら維持しかねている現代国家は、自分の存在を守ることに汲々としている。・・我々は不健全で好感のもてないこの現代国家の一員でありながら、この国家を文化国家に変革しようと努めなければならないのだ。そのためには精神の力に対するほとんど不可能といっていいほどの信念が要求される。・・