福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

四国霊験記にみる二番札所の霊験

2012-07-28 | 法話
「四国霊験記」によれば業病で遍路にでていた一行がここ二番極楽寺で老僧から霊水をあたえられ快癒したとあります。
「頃は天保十三年壬寅の四月八日に播州姫路本町に灰屋弁七と申す者、九才なる亀槌という忰を連れて四国八十八ヶ所を順拝ありしがこの子供は大業人にて五体の焼ける事火の如くなりかようなる難病ゆえに如何なる名医も是を治する事能はず、猶又加持祈祷も色々に致せどもその験しなき故最早この上は御大師様に」祈念のなしてこの業病を救い助けて貰わんと一心堅固にさんげをいたして廻りめぐりて阿波の国第二番の御札所極楽寺へと参りける。親子諸とも本堂の仏の御前に合掌して南無大師遍照尊恐れながらこの亀槌の難病業罪喩え一時の間なりとも大慈大悲のおなさけにて助け給えと一心不乱に弥陀の名号唱えけるに不思議や一人の老僧が現われ給いて申されけるは、汝はやくこの霊水を呑むべし、と亀槌に与え給えば、亀槌その御霊水を押し頂きて呑みければ、忽ち五体の大熱さめて無間地獄の苦患を助かる。勿体なや直ぐにこの場で寺号のごとく身は極楽寺と相成りける。弥陀の誓願勿体なや、今拝見し上人はかげも形も見え申さず、不思議の中のふしぎなりと皆人々も呆れ果て御霊験を感じ入る。数多の同行来拝して弥陀の名号を唱えける。親の弁七も合奏し有りがた涙にむせび泣き、この御利生の恩謝のため親子諸とも剃髪し道心坊とはなりました。四国の御霊地一心に廿一度御謝をなして阿波の国に草庵をかまえ大師の大恩報ずる謝礼と一生この地で大師を念じ極楽庵とは名附けたり。これぞ阿弥陀の大利益尊とむべし信ずべし。

 六字丸ただ信心の霊水を呑めば諸病も平癒する」


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