福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

生前御退位と宮中祭祀

2016-10-03 | おすすめ情報
生前御退位が話題になっています。ここでは天皇陛下の国事行為がご負担になっているということが常に話題にされますが、天皇陛下には「国事行為」以外に、(あるいは国事行為を超えて)「宮中祭祀」という最も大切なお仕事があります。これは天皇陛下の私的行為とされてきているため政府(宮内庁)国民も一切容喙すべきことではありませんが、古来、天皇陛下は鎌倉時代の順徳天皇の「禁秘御抄」にある「禁中の作法、まず神事(いわゆる宮中祭祀)、後他事」という言い伝えを大切にされて来たといいます。昭和天皇も宮内庁が祭祀を簡略化しようとしたのをとどめられ、今上天皇も宮中祭祀をことのほか大切にされてこられていると聞きます。今回、生前御退位の議論が出るとどうしても、天皇陛下の私事と分かっていても、国民統合の象徴としての天皇陛下が今後この「宮中祭祀」をどうされるのか、に意識が行かざるを得ません。これは「天皇を天皇たらしめるのは祭祀による天皇霊の継承」である(天皇と日本人、山折哲雄)という面からも最重要なことです。
宮中祭祀は無数にあります。
元旦の四方拝・歳旦祭・元始祭・奏事始、先帝祭、旬祭(毎月1・11・21日)、祈年祭、春季皇霊祭・秋季皇霊祭、神武天皇祭・皇霊殿御神楽、先后祭、折節と大祓、新嘗祭、鎮魂祭、天長祭等20数度の大祭小祭には天皇陛下が(おでましになり、その他毎日の賢所への参拝は侍従が代参しますが陛下は侍従の復命があるまで御慎みをされているということです。祈りはすべて世界平和と万民豊楽です。
しかしこのような宮中祭祀の根拠は明治42年皇室祭祀令に依っていましたが、昭和22年5月1日皇室令第12号でこれも廃止されました。しかしいまも事実上この明治42年皇室祭祀令に依っているということです

ここで誠に恐れ多いことですがいっそのこと江戸以前千数百年続いてきた神仏一体の宮中祭祀を復活すれば、明治政府の大愚策国家神道の残滓を拭い世界に平和国家日本の姿を示せるとともに真の国民の象徴・日本人の霊的頂点としてのお姿を取り戻されることになるのではないかと愚考している次第です。
たとえば、
後七日御修法の復活や,
、即位灌頂、二間観音供の復活、皇室の先祖供養である「御黒土」の復活等だけでも皇室の国家神道からの距離が見えて世界にも安心感を与え天皇の霊性をより高めることになるのではないかと愚考します。
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