福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

四国88カ所お遍路の旅~その十三~

2016-10-01 | 講員の巡礼(お四国他)ほか投稿
四国88カ所お遍路の旅その13   第71番札所 剣五山 千手院 弥谷寺

本 尊: 千手観世音菩薩
開 基: 行基菩薩
創 建: 天平年間(729〜749)

70番札所本山寺からの札所間距離は11.3km。高松自動車道さぬき豊中インターから国道11号、県道48号経由で、弥谷山の麓、弥谷寺駐車場 に巡礼一行を乗せたバスは到着。

そこからは表参道を歩く。左手に一軒の茶屋。お遍路さんが書き残した俳句の短冊が、部屋の壁に無数に張り巡らされている「俳句茶屋」で、百年以上の歴史を刻んできた休憩所。更に登っていくと、仁王門。門の向こうに、更に長い石段が見えている。

 

弥谷寺は標高382メートルの山の中腹にある。門を潜り、石段を一歩一歩踏みしめて登る。お参りする気持ちが高まっていく。大師堂は仁王門から石段を370段上ったところにあり、本堂は大師堂からさらに170段の石段を登る。(有料の裏参道を行くと石段の数は少ない)道の両側にある丈の高い木と、灌木で、日の光を遮っているため、昼でも暗い。石段の脇には古い墓石や五輪塔、小さい祠等が見える。 その一つ一つに逸話や歴史があるのだろう。葉陰からこぼれる陽は、石段に様々な模様を描きそこだけ明るい。朱の手すりついた急な石段「108段」を上がると、ようやく大師堂へ。

 

巡礼仲間の一人が、「皆様にご迷惑をかけないように、足を鍛えてから巡礼に来ました。お陰でこの様な長い石段も、皆について行くことが出来ました。主人を亡くし、泣き暮らしていましたが、巡礼に参加したお陰で、立ち直れそうです。お大師様のおかげです」と嬉しそうに笑顔を向ける。

岩壁と木々に抱かれた大師堂。青い空が近くに感じる。広い堂内に履き物を脱いで上がり、納経。大師堂につづく「獅子之岩屋」は、獅子が口を開いたかのように見える岩窟で、弘法大師が7歳の頃、この岩屋で学問に励まれたといわれている。大師堂から本堂へ向かう途中の岩壁には弥陀三尊磨崖仏があり、大師が刻んだとされている。 

 
 
さらに石段を上り、本堂へ。仁王門から数えると総石段数は540段に。かなりきつい登りが続いたが、本堂まで来たことへのご褒美のように、そこからは、讃岐平野を見渡すことができる。手前の新緑の緑に陽は惜しげもなく降りそそぎ明るく輝く。遠くにかすむ山々が青く優しい連なりを見せている。ここまで導いて下さった御大師様に感謝。 本堂で、納経。

「 弥谷寺公式ホームページ」よると、弥谷寺のある弥谷山は仏の住む山(弥山や須弥山と呼ぶ)として信仰された。古来より人々は山々に仏や神が宿ると信じ、その山を霊山と呼び信仰の対象とした。弥谷山では『山域全体が仏の住む世界であり、水場の洞窟が仏世への入口といわれ、特別強く信仰された。』山内には、修験者によって刻まれた磨崖仏が今も無数に点在している。なお、弥谷山は日本三大霊場「恐山・臼杵磨崖仏・弥谷山」の一つである。(参拝順路は、大師堂→獅子の岩屋「奥の院」→水場の洞→本堂 と紹介あり。)        つづく K&K
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