福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

秘密安心往生要集・・32/42

2021-07-02 | 諸経
秘密安心往生要集・・32/42
(丗一、釈迦の衆生は苦に逢ひて発心する事)。
問、釈迦の衆生は苦に逢ひて発心するとは何事ぞや。
答、釈迦如来は本願の故に世に出玉へば強剛難化の衆生の為に貪所楽の法を説き玉ふ。(「苦空無常無我不浄」真実を求めるために明らかにすべき、この世の迷いの四つのすがた。苦諦の四行相。この世のすべてのものは、苦であり、空(くう)であり、固定した常住のものでなく、自我といった実体はないということ。非常苦空非我。苦空無我。〔観無量寿経〕)五濁の衆生は楽に逢へば貪欲我慢放逸懈怠にして倍々悪業を作る。怨憎会苦愛別離苦求不得苦に逢へば厭離穢土欣求浄土の心を生ず。韋提希夫人の阿闍世王、提婆達多の逆罪を見て怨憎会苦愛別離苦より発心して浄土に往生し、末世の衆生の為に浄土の教門を発起し玉へるが如し。今世人を見るに富貴栄華なる人、信心ある人は希なり。妻子に離れ衆の難に逢る人は是より菩提心を発す。常の事なり。弥勒の出世は同居の浄土なるが故に楽に逢ふほど弥よ菩提心を増進すといへり。経に曰く「極楽浄土にして一劫が間善を修し弥勒の出世に百年が間善を修するよりも釈迦如来の法の中、濁世末代に一日一夜持戒清浄にして道を行ずるは甚だ勝れたり」(『観無量寿経』に「正心正意にして、斎戒清浄なること、一日一夜すれば、無量寿国に在って、善を為すこと百歳するに勝れたり」)と。故に分陰を惜しんで勤修策勵し必ず末代の得脱を求むべきなり。
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