実語教(傳、弘法大師作、寺子屋等で使用。「実語教註慈賢(鎌倉時代の天台座主)」「実語教諺解(覚賢慧空)」等より解説)解説・・・10
・君子は智者を愛し、 小人は福人を愛す。 (小人は金銀財宝を多くもちたる人に親しむ。論語里仁篇に「君子は徳を懐い、小人は士を懐う。君子は刑を懐い、小人は恵を懐う」「君子は義を喩し、小人は利に喩す」。皇侃(おうがん、488~545南朝梁の儒者)の疏に「喩は暁なり、君子は仁義に暁(さとい)所、小人は財利に暁(さとい)所なり。」故に范寧がいわく「貨利を棄てて仁義を暁すを則ち君子と為し、貨利を暁して仁義を棄つるときは則ち小人たり」。楊子法言巻一学行篇に「大人の学は道の為にす、小人の学は利の為也、子道の為にするや、利の為にするや」。老子いわく「小人は財を以て宝とす、君子は吉き友を以て財となす」。塩鉄論(前漢の始元6年(紀元前81年)塩や鉄の専売制などを巡る討論の記録)に「聖主は賢を以て宝とし、珠玉を以て宝とせず」。君子集に「諺にいわく、小人は財を以て宝とし、君子は友を以て鏡とす」君子集に「君子と遊ぶ者は芳花苑に入るが如し、その香を珍として他にきかしむ、小人と遊ぶ者は魚亀の煙のところに入るが如し、いよいよ臭くして広きに聞かしむ、君子と交わる者は賢父を求め、小人と交わる者は利を求む、鵠は夜半を知り、鶏は明爽を知る」)
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