「中世の神と佛」(末木文美士)より大意。
「神仏一体の形態には以下のようなものがある、
1、神は迷える存在であり、佛の救済を必要とする考え。(奈良時代からある。神を仏教でいう「天」に位置つ゛けたもの。ここでは神はまだ六道に輪廻する存在であるから、神宮寺を建て仏教に依る供養で解脱。)
2、神は仏教を守護するものという考え。(奈良時代からある。護法神という考え。東大寺大仏建立の時宇佐神宮から八幡大菩薩が援助するために上られた。伏見稲荷が東寺の護法神として祀られたのもこれ。)
3、佛教の影響下に新しい神を考えたもの。(平安時代。御霊信仰。神泉苑で早良親王を祀ったのが最初。天神様、祇園社の牛頭天王、蔵王権現もこれ。)
4、神は実は仏が衆生救済のため姿を変えて現れたものとの考え。(平安時代。本地垂迹。法華経の本門・迹門の考えや密教の三輪身の考えに依る。日吉は釈迦、伊勢は大日等具体的に個々の神の本地が定められた)」