復た次に生滅門より眞如門に即入することを顯示する。所謂ゆる五陰を推求するに色と心にみにして六塵の境界は畢竟して無念なり。心に形相なければ十方に之を求むるも終に不可得なるを以てなり。人迷うがゆえに東を謂って西と為すも、方は實に不轉なるが如し。衆生もまた爾り。無明の迷の故に心を謂って念と為すも心は實には不動なり。若し能く觀察して心は無念なりと知れば、即ち隨順して眞如門に入ることを得るが故なり。
(次に、生滅門(迷いの門)から真如の世界に即入することを述べる。色陰・受陰・想陰・行陰・識陰という衆生の生命を構成する五つの要素を探求してみるとその対象となる色・声・香・味・触・法は要するに迷いの心がなければ存在しないものである。心には形がないからあらゆる方面にこれを求めても所詮得ることはできない。たとえば人が迷って東を西と間違えても東と西の方角が変わるわけではない。そのように衆生も無明の故に迷って心を『心の動き』と間違えるが心は実際は不動であるから、よく観察して心は動かないものだと覚れば道理に随って真如門に入ることができるのである。
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