叡尊は建仁元年(1201年)生まれで正応3年8月25日(1290年9月29日))に示寂されています。鎌倉時代中期、四分律・梵網戒を併せて修する真言律宗開祖です。字は思円(しえん)。謚号は興正菩薩。この興正菩薩叡尊が覚盛・圓晴・有厳と共に東大寺に於いて自誓受戒したのが嘉禎元年1236叡尊菩薩36歳の時です。感身学正記には「(嘉禎元年1236)九月一日、各自誓、近事男となる(五戒を受ける)、二日沙弥となる(十戒を受ける)。三日、圓晴・有厳菩薩苾芻位に登る(具足戒を受ける)。四日、覚盛と予(叡尊)菩薩大苾芻位に登りおわんぬ。・・」とあります。
叡尊等は梵網経により自誓受戒したとされます。『梵網経』には「若し仏子、仏滅度の後、好心を以て菩薩戒を受けんと欲せん時は、仏・菩薩の形像の前に自誓受戒すべし。当に七日をもって仏の前に懺悔し、好相を見ることを得れば、便ち戒を得。若し、好相を得ずんば、応に二七・三七・乃至一年にも、要らず好相を得べし。好相を得已らば、便ち仏・菩薩の形像の前に戒を受くべし。若し好相を得ずんば、仏像の前にも受戒すれども、戒を得べからず。
若し、現前に先に菩薩戒を受くるの法師の前に、戒を受くる時は、要ずしも好相を見ることを須いず。何を以ての故に、是の法師、師師相授するが故に好相を須いず。是を以て、法師の前にして受戒せば即ち得戒す。至重心を生ずるを以ての故に、便ち得戒す。若し、千里の内に能く戒を授くるの師無くんば、仏・菩薩の形像の前にして戒を受けよ、而も要ず好相を見るべし。
若し法師、自ら経律大乗の学戒を解せるに倚りて、国王・太子・百官に以て善友と為り、而も新学菩薩来たって若し経義・律義を問うに、軽心・悪心・慢心を以て、一々に好く問に答えずんば、軽垢罪を犯す。
第二十三軽蔑新学戒」と。
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