α100を使ってる身の上であるし、写真ブログなのだから、
ここはα900という文字は書き残しておこう。
数年後に、α900から快進撃が始まったんだなあ、とか、
「αショック再び」と書き残されているかもしれないし、
あれでSONYは失敗したんだ。と書かれているかもしれない。
いずれにせよαマウントの一つの歴史の区切りであることには
異論はないであろう。
今回のα900は名機といわれたミノルタα9を大いに意識したものだ。
したがって、実際に持って使ってみてその良さが初めてわかるのだろう。
要は気持ちいいかどうかだ。
ミノルタα9は欲しくても買えなかったカメラだ。
そういう意味でも今回のα900は欲しいと思う。
先日、ひょんなことからN社の画像処理の技術者と飲む機会があった。
頭のたいそう良い技術者で、話の内容は専門的すぎて判らない部分も
多く有ったのだが、今の時代は、画像に関してはフィルム会社に依存していた
部分がカメラ会社に直接委ねられたことで、苦労が多いということだった。
当の本人は今でもフィルムを使っているらしく、各社を試しているようだが、
デジタルの場合は世界各国で色の好みも違い、景色の色合いも違うので、
考えれば非常に難しいことだ。
SONYとN社は近い関係にあるのだから、画像処理や高感度技術に関して、
技術協力(この場合、SONYが技術供与を受ける側)をすれば良いのにと思う。
N社のD3やD700のノイズレスな絵は本当に魅力的だから。
とまあ、前置きはこれぐらいにしておこう。
実は実機を試しているので印象を書こう。
ただし、言っておかねばならないことがある。
しばらく予算が無い人、α700やα350で十分だと思っている人。
N社やC社の中級機を使っている人。
該当者はα900に触れてはいけない。
必ず手に入れたいと思ってしまうはずだ。
まず最初にファインダーをのぞいた時に驚く。
久しぶりにむかしの高級一眼レフを想い出す。
または、初めてライカM3のファインダーを覗いたときの感動が
よみがえる。
とにかく広く明るくクリアーで爽やかだ。
ここが一番重要だ。
MFしたくなること請け合いだ。
シャッターを切る。
その高品位な動作に心が弾む。
やっとキヤノンやニコンの高級機に追いついた感じがする。
音程は低くなった。
音量は今までの半分だ。
シーリングが効いているのか、新しい平行移動するミラーのせいか。
静かで、振動がよく吸収されている。
α9のようにイイ。
キンキンした高音成分がカットされているが、パタンパタンという音質
とも違う。
ぜひスタジオやホールで聞いてみたい音だ。
ボディーがしっかりしているので、嫌な振動もない。
言ってみれば最新のBMWを運転しているような感じだ。
私にとってはここが一押しだ。
相変わらずホールディング感が素晴らしい。
850gという重さが良いのは一眼レフの歴史上わかっている。
が、片手でも持てるグリップの形状の良さは、他社に勝る部分だ。
秒間5駒というデータはカメラの総合的な動作感で大きく印象が
異なる部分だ。
同じ5駒でもα700のそれとニコンD700のそれでは倍ほどもD700が
速く感じられるものだ。
機関銃のように速いニコン、そもそも速いキヤノン。
α900もようやく並んだ感じだ。
さらに言えば、品良く速い。
画像を仔細に見たわけではない。
高感度ノイズがどうかもまだ判断できない。
それでも、持って、ファインダーを覗いて、シャッターを切ってという
画像が出てくる前の段階までで、すでに欲しいと思わせるのだ。
以上のような地味だが地道な進化はある意味SONYらしくない。
まずは基本を完成させた。
SONYの社員も言っていた。
「突出した技術を見せるのは、これからです。まずは基本を完成させようと
思っていました。SONYらしさを求める声に応えるのは今からです。
技術は本当にすごい会社なんです。いくらでもアイディアはあるし、
実現も可能なんです。
でも基本がなっていなかったら、見向きもされないでしょう?
やっとスタートラインに立ったのです。
これからのSONYは私も愉しみですよ。」と。