中野翠は1946年生まれのコラムニスト、エッセイスト。
顔もよく知っているし、TVなどにも出るかな。
とにかく有名ではある。
浦和一女を出て早稲田政経学部出身。
在籍した1965年~1968年の早稲田大学、社会科学研究会(左翼系)、学生運動、アングラ劇団、早稲田周辺の喫茶店などのことが
書かれている。
この本を読もうと思ったのは当時の学生運動をさらに知っておきたかったから。
2020年3月に文春文庫化されたもの。(2017年4月に単行本で文藝春秋から出た。)
東大、早稲田、日大・・・学生運動の激しかった頃。
しかし中野翠は社研に属していたが、直接的に学生運動を行ったわけではない。
当時は男子ばかりだったし、過激な学生運動は怖かったのだそうだ。
とにかく明るい学生生活に書かれている。
学生運動時代の大学生なんて、暗いはずなのに、なぜだか明るいし、意外にも女子で乙女。
それは恐らく、父親が読売新聞の記者の子で、自宅住まい。珍しくの裕福な感じ。
早稲田の学生は、神田川沿いの四畳半一間の木造共同アパートのイメージ。
私の時代もまだそんな感じも多かった。
中野翠さんは全共闘運動や過激派セクト、民青の中にいたわけではない。傍観者ではあった。
連合赤軍事件ですべてが終わったことは書かれている。
内容はかなりあっちこっちに行く。時代の前後も戻ったり進んだりする。思った順に書かれている。
学生運動に関して暗く書かれていると、それも読むに際しては辛いので、これで良いのかもしれない。
最後に呉智英との対談があって、これは面白い。
日本で最初の校舎のバリケード封鎖は実は慶応大学だったなんて話も書かれている。
世間でいう校風はあとで作られたものだなんて話も出てくる。
まあ別におどろおどろしく真実を描いた学生運動の本もさらに読みたいかもね。
日本の歴史だからね。
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