先日、「拳銃王」なるモノクロ・スタンダードの西部劇、グレゴリー・ペック主演と言うことで観てみたら、これが面白かった。
どちらかと言うとドンパチの打ち合いを想定する西部劇から少しずれたメロ・ドラマみたいな感じで、期待以上の作品。
〔内容〕
西部一の早撃ちと噂される男が、名前を隠して教師をしている妻のもとを訪れる。そこは、彼の親友が銃を持たない保安官として治安をあずかる穏やかな町だったが、サルーンに彼がやって来たという話が伝わると、小学校の男子生徒たちをはじめ、町中の男たちが見物に集まり、女たちは眉をひそめた。
彼に息子を殺されたと思い込み、命をねらう老人もいる。また、イキがった若造の荒くれがつけ回す。
そして、そこに立ち寄る前の宿場で、やむなく撃ち殺した男の兄たちが現れる時間も近づく。彼はその三兄弟に襲われたとき、馬を奪いとったのだが、三兄弟が徒歩ででも追いかけてくるのは目に見えていた。
最早、一刻の猶予もないのだが、彼は一目妻に会いたくて、代理に立てた知り合いの婦人の返事を待つ……。
グレゴリー・ペックは大好きな役者さんだったが、この人はアウトローは似合わない、どちらかと言えば「大いなる西部」の東部から来た色男の方がはまる。
だからアウトローの凄みが無くて親切な物分かりの良い「悪漢」みたいになってしまう。
そういえば「白鯨」のエイハブ船長もなんだかなぁ?って感じだった。
でも映画全体は良質なストーリに仕上がっているし旧友である保安官との友情が心地良いのとドラマティックな展開もある、ここらへんが名優たる所以だろうと思う。
先日記事にした「新ガンヒルの決闘」もそんな感じで面白かった。
正月に録画した「大いなる西部」を未だ見ていない、これは日照りの時の慈雨にでもしようかと思う。