どちらもオードリー・ヘップバーンの魅力が満載の面白映画、喜劇風サスペンスとでも言うべきか。
ともかく女優で魅せる映画、それだけでも木戸銭の価値有。
「おしゃれ泥棒」
原題は「百万ドルの盗み方」これを「おしゃれ泥棒」という邦題にしたのは「なるほど!」と納得する位、オードリーが画面に出るたびに衣装を替えてそれも見事に映えていた。
それに男優のピータ・オトゥールがこれまた美男子だから、絵に描いた様な美男美女の映画として立派に成立している。
〔内容〕
贋作画家シャルル・ボネの家に、内偵中の私立探偵シモンが忍び込んだ。ところがたちまち、画家の娘ニコルに発見されてしまう。
シモンを泥棒と信じたニコルは、美術館からビーナス像を盗み出すことを依頼する。警戒厳重な美術館に、二人は潜入することに成功するが……。
父親の贋作作家にヒュー・グリフィス(「ベン・ハー」でアラブの族長役)が前述の美男美女との対比で面白い味をだしていて、最後の結末も笑わせる。
この映画の監督はウィリアム・ワイラー、なので何となく納得。
「シャレード」
どういう意味かは知らなかったが”シャレード”と言う言葉は結構ポピュラーで、一時期の国産コンパクト・カーの車名にさえなった。
今回初めて調べてみたら「何もかも見えすいたまねごと」と言う意味らしい。
とすると映画の内容とタイトルはピタリと符合する、車名としてはどうかと思うが。
こちらはヘンリー・マンシーニの映画音楽がポピュラーなのでそちら方面からこの単語を知っていたが、映画は初見ながら、オードリの魅力がこれまた満載、本当にたいした役者ですわ!
今度のお相手は「ケーリ・グラント」と少し渋い。
〔内容〕
スキー場からパリの自宅へ戻ってきたレジーナ(ヘプバーン)を待っていたのは、離婚予定だった夫の死。葬儀の会場には見知らぬ三人の男が現れ、大使館では情報局長(マッソー)から、戦時中に夫が軍資金25万ドルを横領していた事を聞かされる。五里霧中のレジーナはスキー場で知り合ったピーター(グラント)に助けを求めるが、彼もまた三人組の仲間だった……。
この映画は男優陣も見ごたえがあって、ジェームズ・コバーン、ジョージ・ケネディ、ウォルター・マッソーと良く知った俳優が勢ぞろい、これもまた楽しい。
こういう内容だと「ヒッチコック」を連想してしまうのは素人の悲しさというものか、そんな筋運び。
ところでヘボン式ローマ字で知られるヘボン氏とは「ヘップバーン」と同じスペルで明治の人には強いアクセントが「ヘ・ボ・ン」と聞こえたんだろう。
メリケン粉とかミシンとかに加えてこれも外来語の例に漏れていない様で。