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Mikuのブログ

安倍政権の「国家安全保障会議(日本版NSC)」は機能するか

2013-05-11 13:50:07 | 政治・国防・外交・経済

安倍政権の「国家安全保障会議(日本版NSC)」は機能するか?

[HRPニュースファイル633]


◆「日本版NSC」創設へ

政府は5月9日、「国家安全保障会議(いわゆる、日本版NSC=National Security Council)」の創設に関する有識者会議を開きました。

安倍首相は「日本を取り巻く情勢が厳しさを増すなかで、外交・安全保障体制の強化は喫緊の課題だ。NSCを外交・安保政策の司令塔として機能するものにしないといけない」と強調しました。(5/9 日経「首相『日本版NSC、喫緊の課題』」)

第一次安倍政権でも、安倍首相は「日本版NSC法案」を閣議決定しましたが、福田政権はこれを引き継がず、立ち消えになりました。まさしく、「日本版NSC」の創設は「安倍首相の悲願」だと言えます。

日本版NSCでは、北朝鮮や中国を担当する北東アジアや、テロの危険性が増す中東・北アフリカ等の「地域分析官」を配置。「国防戦略」「テロ」「核不拡散」といった機能・テーマ別の分析官も置き、政府一体での情報集約・分析と政策・対処方針を立て、首相の意思決定につなげるとしています。(5/10 産経「日本版NSC、地域・テーマ別で分析官」)

日本版NSCが急がれる背景には、絶え間なく続く中国による日本の領海・領空侵犯や、本年1月に発生したアルジェリアにおける邦人人質事件での情報錯綜に際し、「国家安全保障会議があれば情報が一元化され、混乱せずに済み、事態が悪化することを防ぐことができた」という意見があります。

そのため、情報収集と分析を一元化し、首相の意志決定に寄与するための組織として、日本版NSCが構想されて来ました。

今回は、安倍政権が創設を目指す日本版NSCが果たして機能するのかを考えてみたいと思います。



◆国家安全保障会議(NSC)とは?

「国家安全保障会議(NSC)」としては、アメリカのNSCが最も有名ですが、その起源は、1902年にイギリスにおいて当時のアーサー・バルフォア首相が創設した「帝国防衛委員会(Committee of Imperial Defence)」であると言われています。

「帝国防衛委員会」は、イギリスの外交と国防を担い、国家安全保障戦略を策定する機関として創設されました。現在は内閣委員会の一つとして国家安全保障会議が創設されています。

アメリカ国家安全保障会議は、1947年の国家安全保障法(National Security Act of 1947)の規定により、イギリスの帝国防衛委員会をモデルとして創設されたもので、アメリカの外交と国防を担う組織として、現在もアメリカの「最高意思決定機関」の一つとされています。

ここから判ることは、「帝国防衛委員会」や「アメリカ国家安全保障会議(NSC)」は、外交や国防のあり方を決める「最高意志決定機関」として存在しているということであり、各省からの情報を一元化するだけの組織ではないということです。

※もちろん、帝国防衛委員会やアメリカ国家安全保障会議にも各省からの情報を一元化する組織体制が整備されています。(帝国防衛委員会には合同情報委員会(Joint Intelligence Committee)、アメリカ国家安全保障会議には国家情報長官(Director of National Intelligence)があります。)



◆日本版NSCを機能させるために

すなわち、国家安全保障会議(NSC)に求められる本来の役割は、国家安全保障戦略を立案する最高意思決定機関であるということです。

しかし、現在のところ、安倍政権の日本版NSC構想には、そうした役割は固まっておらず、「情報の一元化」や「NSCの情報総括機能を担保するため、関係省庁に情報提供を義務付ける」といった枝葉末節の部分のみが先行しています。

実際、日本版NSC創設に関する有識者会議の議事録を見ても、「事務局組織を独立した組織とはせずに、既存の官房副長官補の組織を活かしつつ、彼らを取りまとめて政策案を立案する」「『国家安全保障会議』は、諮問機関か決定機関か、といった議論があるが、諮問機関にしておいた方が、総理が動きやすくて良いのではないか」といった意見が出るなど、NSCの位置づけが官僚によって骨抜きにされている兆候があります。

そのようなNSCでは、中国の挑発行為に毅然とした対応をすることも、アルジェリアの人質事件のような緊急性の高い事件に対処することも不可能です。

NSCは、あらゆる事態を想定し、「日本の国益をいかにして守るか」「そのために日本の国が持つ資源をどのような形で使うのか」といった、日本の中長期的な外交・安保戦略をあらかじめ練り込んでいくべきです。

世界情勢では常に想定外の事件が起きます。戦略を考えておけば、そのようなサプライズから早く立ち直ることができると同時に、日本に有利な状況に持ち込むことができます。

刻一刻と変化していく日本の安全保障環境に即応していくためには、日本版NSCの創設が急がれますが、NSCが機能するためには「各省庁からの寄り合い所帯」ではなく、高い専門性と強力な権限を有した独立した機関を構想していく必要性があります。(文責・政務調査会 黒川白雲)
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憲法96条についての幸福実現党の考え方

2013-05-11 13:45:44 | 幸福実現党
2013年5月9日
 
憲法96条改正についての幸福実現党の考え方

 本日9日、衆議院憲法審査会において、各党が憲法96条についての考え方を表明します。わが党としては下記の通り、96条改正に関する考え方を表明し、参院選において信を問う次第です。

 安倍晋三首相が、来る参議院選挙において、憲法改正の発議要件を定めた96条の改正を争点化する方針を鮮明にしたことで、96条改正先行の是非が大きな議論となっている。立党直後の2009年6月に「新・日本国憲法 試案」を発表し、自主憲法の制定を主張してきたわが党としては、憲法改正の機運が高まり、政治日程化しつつある現状は歓迎するものである。

 96条改正を先行させることについて、自民党などが推進の立場を明らかにする一方で、護憲政党は反対姿勢を示している。しかし、核ミサイル開発を急ぐ北朝鮮や、尖閣奪取の意思を鮮明にする中国など、日本を取り巻く安全保障環境が著しく悪化するなか、国家国民を守るには、憲法9条の改正が急務である。わが党としても、9条改正への一里塚としての96条改正先行はやむなしと考える。ただ、これは極めて「政治的」な動きであり、安倍首相には、9条改正の意図を隠すことなく、改憲論議を深めていくことを望みたい。

 なお、96条改正が実現したところで、9条の改正には一定の時間がかかるのが実状である。そこで、わが党としては、9条改正の必要性を強く訴えるとともに、「今、そこにある危機」に即応すべく、憲法解釈を変更し、憲法前文で謳う「平和を愛する諸国民」とは言えない国家に対しては、9条を適用しないことを明確にした上で、自衛隊法などの関連法を包括的に見直し、有事への備えを万全にするよう改めて提言するものである。
幸福実現党 党首 やない筆勝
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衆院憲法審査会が憲法96条改正を議論 幸福実現党も声明を発表

2013-05-11 13:44:16 | 幸福実現党

衆院憲法審査会が憲法96条改正を議論 幸福実現党も声明を発表
http://www.the-liberty.com/article.php?item_id=6012

衆院憲法審査会で9日、夏の参院選の争点とされる憲法96条の改正について初の議論が持たれた。各党の立場の違いが明らかになり、日本が自主防衛を行うために必要な憲法9条改正までの道のりの遠さを予見させるものとなった。

自民党、日本維新の会、みんなの党は96条の改正を支持している。一方で、憲法9条の改正を目指す自民、日本維新の会は96条の先行改正に賛成しているが、みんなの党は、「地域主権型道州制」の実現につながらないのであれば先行改正には賛同しないとしており、足並みはそろっていない。

民主党は、党内に改憲派・護憲派の両方を抱えていることもあり、「議論を深め、党としての考えを明確にしたい」と発言するにとどまった。公明党は「基本的人権・国民主権・恒久平和主義という三原則にかかる条項以外は、3分の2の改憲要件に緩和する」という案を示した。民主、公明ともに、96条の先行改正には反対している。共産党、生活の党は、いずれも改憲そのものに反対である。

幸福実現党も同日、96条改正についての声明を発表した。以下、要旨。

・憲法改正の気運が高まっていることは歓迎する。

・日本を取り巻く安全保障環境が悪化するなか、憲法9条の改正は急務であり、9条改正への一里塚としての96条改正先行はやむなしと考える。ただ、これは極めて「政治的」な動きであり、安倍首相には9条改正の意図を隠すことなく改憲論議を深めてもらいたい。

・わが党としては、96条改正の必要性を訴えるとともに、憲法解釈を変更し、「平和を愛する諸国民」と言えない国家に対しては9条を適用しないことを明確にし、有事への備えを万全にするよう改めて提言する。

改憲を支持する自民、維新、みんな、新党改革だけで参議院の3分の2の議席を確保するためには、次期参院選で合計100議席以上を獲得する必要があり、見通しは厳しい。そんな中、政府・自民党は連立している公明党の協力を得るため、憲法改正の論点をずらし始めている。菅義偉官房長官は9日の記者会見で、「環境権など、理解を得られるものから(取り組む)というのも一つの考え方」と発言した。

そもそも、憲法改正の議論の核心は、日本が「自分の国を自分で守る」という責任を果たすために必要な憲法9条の改正である。憲法を改正するにあたっては、最後は国民投票に委ねることになる。しかし、その憲法改正の議論が核心からずれていれば、結局、国民の賛同を得ることは難しいだろう。今こそ、党利党略ではなく、誠実な議論を行う政治家が必要である。(晴)

【参考サイト】
プレスリリース 憲法96条改正についての幸福実現党の考え方| 幸福実現党ホームページ
http://www.hr-party.jp/new/2013/37497.html

【関連記事】
2013年5月3日付本欄 憲法記念日に幸福実現党が声明を発表 「主権国家の憲法」を打ち立てよ
http://www.the-liberty.com/article.php?item_id=5984
2013年5月5日付本欄 【注目書籍】小林節教授の新刊は憲法改正の基本論点を整理
http://www.the-liberty.com/article.php?item_id=5989

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「安倍首相は修正史観」と米協議会調査局 米中韓の日本挟み撃ちに警戒

2013-05-11 13:42:45 | 政治・国防・外交・経済

「安倍首相は修正史観」と米議会調査局 米中韓の日本挟み撃ちに警戒せよ
http://www.the-liberty.com/article.php?item_id=6011

米議会調査局は、今月発表した日米関係についての報告書で、安倍晋三首相の歴史認識についての懸念を表明した。報告書は、安倍首相は日米同盟の強力な支持者だとしたが、「日本の侵略がアジア諸国に犠牲を負わせたという話を拒否する、修正主義的な歴史観を持っている」と批判。今後の政権運営次第では、環太平洋経済連携協定(TPP)参加交渉やアメリカとの防衛協力が困難になりかねないとしている。

歴史認識を材料に、安倍首相は就任当初から、米韓のメディアなどで「右翼」などのレッテルを貼られてきた。このごろでは、先月の靖国神社春季例大祭に麻生太郎副総理が参拝したことなどに対して、韓国が政府・メディアをあげて反発した。韓国はこの話題を国際問題として騒ぎを大きくし、日本を追い詰めようとしているようにも見える。

このほど米ワシントンで行われた米韓首脳会談でも、韓国の朴槿恵(パク・クンヘ)大統領がオバマ米大統領に対して、「北東アジア地域の平和のためには、日本が正しい歴史認識を持たねばならない」と発言したとされる。朴氏はこのごろ、日米韓ではなく「米中韓」での戦略対話を構想しているともされ、「日本外し」の方針を取っているようだ。

懸念されるのは、韓国がいよいよ中国と歴史問題で共闘し、米中韓による日本挟み撃ちという事態になりかねないことである。中国の習近平・国家主席は「日本はファシスト国家」とたびたび発言している。「アメリカは日本の軍国主義と戦い、民主主義を守った」という歴史観がアメリカでは主流であり、習氏の発言は、日本に対する歴史問題でアメリカを味方に取りこもうと秋波を送っているようにも読める。

今回、韓国の朴大統領はアメリカに行ってまで日本に苦言する異例の行動を取ったが、日本としては、中韓が共同でアメリカを巻き込み、日本を孤立させつつあることに警戒する必要がある。米韓が中国に北朝鮮対策を任せるなどして、日本不在で米中韓の協力関係が深まりすぎれば、対中国・対北朝鮮対策としての日米同盟の意義が薄まっていってしまう。

中国や北朝鮮の脅威と戦うためには、民主主義や自由経済という価値観を共有する、日米韓の協調がぜひとも欠かせない。「日本のファシズムが復活する」と根拠のない不安を騒ぎ立てる韓国や、中国にすり寄るアメリカは、安倍氏が民主主義の公正な選挙で選ばれた政治指導者であり、日本は協調すべきパートナーだと知らねばならない。北朝鮮や中国の問題を解決するために、「強い日本」はぜひとも必要なのである。 (呉)

【関連記事】
2013年5月8日付本欄 北朝鮮をめぐり緊張緩和の動き 「話し合い」は時間稼ぎにしかならない
http://www.the-liberty.com/article.php?item_id=6003
2013年4月30日付本欄 安倍首相の歴史問題に噛みつく米韓 日本「封じ込め」は東アジアの不安定化を招く
http://www.the-liberty.com/article.php?item_id=5965

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