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日々の恐怖 5月7日 紅茶(2)

2017-05-07 19:51:45 | B,日々の恐怖





  日々の恐怖 5月7日 紅茶(2)





 雨はまだまだ激しく降っている。
風も轟々、外は真っ暗で心細い。

“ 早く来てくれないかな~。”

と思いつつ、ぼんやり時間をやり過ごしていると、サイドミラーにぼんやり近づいてくる明りが見えた。
 やっと助けが来たようで、Yはほっとした。
軽トラのような車両がYの車の後ろにぴったり止まり、中からレインコートを羽織ったスタッフが現れた。
 窓をコンコンと叩くので、少し開けると、

「 大丈夫ですか?」

と聞かれた。
 思っていたより若い、まだ青年のような男だったが、Yには救いの神に見えた。
 
「 早かったですね。」
「 出られますか?」
「 ドアが水圧で開かないみたいなんです・・・。」
「 じゃあ、窓から出ましょう、僕が引っ張るんで。」

手際よく、Yは無事に車から出された。
 スタッフの男は、自分と揃いのレインコートをYに羽織らせ、後ろのトラックまで誘導してくれた。
 Yはレスキュー車の助手席に乗せてもらった。
タオルも貸してくれた。
 スタッフの青年は、自分はYの車のエンジンとか車両の不具合状況を調べなきゃならないから、ここで少し待っていてくれと言った。

「 あ、これサービスです。
温まりますよ。」

青年はYに魔法瓶を差し出して、自分は豪雨の中出て行った。

“ 至れり尽くせりだな~。”

と感謝しつつ、Yは魔法瓶の中身を注ぐ。
紅茶だった。












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