日々の恐怖 9月23日 盗聴器の声(3)
その捜査の中で、犯人は不思議な供述をしました。
それは、盗聴記録の中に、彼女の部屋に毎晩1時半頃に男が帰宅し、
「 ただいま~、帰ったよ~。」
と言葉を掛けたと言いうことです。
しかし、声を掛けられた彼女は無言のままだったようです。
その後も朝彼女が出勤するまでその男との会話は一切なく、出て行った感じも無いので不思議に思ったとあったそうです。
警察も録音記録からその声を確認しており、彼女にも聞かせたところ、彼女自身は思い当たる事もないし聞いた事もない声なので、心底怖がってしまって引越しをしてからお祓いも受けました。
それはいったい誰だったのでしょうか。
その後数年経ち、彼女は無事に結婚をして今では幸せな2児の母となりました。
でも彼女曰く、旦那さんが、
「 ただいま~、帰ったよ~。」
っていう声が、絶対に当時聴いた録音された声と同じなんだけど、それってどう言う事なのかって首を傾げていました。
大手企業のエリートサラリーマンのご主人ですが、普段は温和で家族想いの良いパパ、でも彼に会う度に、
“ あ~、あの声ってこんな声だったんだぁ~。”
と考えてしまいます。
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