日々の恐怖 1月16日 何かあってもうちは知らないから(1)
派遣現場で一緒に仕事をしていたM君から聞いた話です。
以前、M君は某個人商店のプログラム作成を担当していた。
開発作業場所に提供されたのは、商店裏庭の二階建て倉庫の二階の、六畳程の狭い部屋だった。
そこにリーダー、設計者、プログラマー、テスト担当者、といつも6、7人の20代から30代の男性ばかりがひしめいて作業していたという。
プログラムの多くは自社ですでに作成されていたが、それを本番環境に乗せて調整するのに手間取り、本番稼動日を目前に毎日終電帰りを余儀なくされていた。
本当なら徹夜の突貫作業をして遅れを取り戻したいところだったが、その現場では出来なかった。
その現場は半端なく出るところだったので。
商店のオーナーたちも、その事はよくわかっており、
「 そこにはあまり遅くまでいない方がいいよ。
徹夜作業をするのはいいけど、何かあってもうちは知らないから。」
とはっきりと釘を刺されていた。
商店のオーナーや家族たちも、同じ裏庭の敷地に建てられた家や店舗の二階に住んでいたが、そこでは妙な事は起こっていない様だった。
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