「クライング・ゲーム」を観ました。92年イギリス 監督ニール・ジョーダン
アイルランド。英国兵ジョディ(フォレスト・ウィッテカー)がIRAに誘拐されます。要求は3日以内に仲間を釈放すること。
ジョディの見張りはファーガス(スティーブン・レイ)。人質と見張りの関係のはずなのに、二人は打ち解けて笑い声まで聞こえるようになります。
ジョディはファーガスの優しい性格を見抜きます。サソリとお人好しのカエルの逸話を話しながら「あんたは親切だ。それがあんたの性だ」。といい、自分が殺されたらロンドンにいる恋人ディルに会って「愛していた」と伝えてほしいといいます。
ジョディの処刑が決まる。ファーガスが執行人を志願しますが、森の中でファーガスに逃げられてしまい追いかけたファーガスの目の前で、救出に来た英国軍の装甲車にはねられて死んでしまう。ファーガスたちのアジトは英国軍によって襲撃されます。
ファーガスは命からがら逃げだして、ジョディとの約束を守るためにロンドンへと渡ります。
ジェイルは美容師。夜はバー(メトロ)で歌うこともある。ファーガスはジミーと名乗り工事現場で働きながらたびたびジェイルに会いに行く。
美しいディルに惹かれていくファーガス。ジェイルも普通の男と違ってなかなか口説いたりしないファーガスを優しい紳士だと思い、惹かれる。
でもある日ファーガスはディルをひどく傷つけてしまう。ファーガスはディルに謝ろうと、ディルの職場やメトロへ行きますがとりつくしまもない。仕方なくディルの家のポストに
「すまなかった」
と手紙を残します。
翌日ジミーことファーガスの職場に派手な格好をしたディルがやってきた。
「仲直りしましょう。ハニー。女は愛する人をそう呼ぶのよ。さあ、お茶にしましょう。」
現場にやってきた社長に「職場に娼婦を呼ぶのか」とか言われ「彼女はそんなんじゃない」と答えるファーガスですが、こんな派手なことされて困った顔。でもディルはうれしくて仕方なくて輝くような笑顔でファーガスを見つめてる(なんてかわいい・・・)
ふたりはまたデートをするようになります。
アジトで死んだと思っていたIRAの女性メンバージュードにアパートを突き止められてしまったファーガス。
あんたのドジのせいで仲間が死んだ、どうしてくれんのよとひとしきりファーガスをののしり(・・・なんか女性たちに圧倒されっぱなしのファーガスですな・・・)そして要人暗殺を強要します。
「断ればかわいい恋人の命が危ないわよ」とジュード。
そしてディルとデートしている先々に現れて圧力をかけます。このオンナ昔ファーガスとできてた感じでファーガスに対して「アンタいつの間にこんな若いオンナたぶらかしてんのよっ!?!」みたいな嫉妬も混ざっているみたくメラメラ燃えてます・・・。
ジュードと鉢合わせるたびに逃げるように避けていたらディルは「あの女誰?ワタシのハニーの何なの??何を隠してるの???」的になってきた。
事実を告げることはディルを危険にさらすことになる。
ファーガスは自分を信じて黙っていうことを聞いてほしい、とディルに告げてディルの髪を切り別人のようにして、身を隠させる。ディルはワケがわからないまま、でも愛する人が求めていることだからとファーガスに従う。
この髪を切るシーン、映画館でもうるっときたのですが、DVD観てもうるるでしたわ・・・。
かわいい女とお人好しのテロリスト。極上のラブストーリー。
お人好し過ぎてバカがつく、ファーガスの優しさに泣けてきます。
バー メトロのバーテンダー コル(ジム・ブラッドベント)ファーガスがディルに声をかけようとしているとき、二人がケンカしたとき・・・さりげなくアドバイスするんですけどこの人がほんとにいい味だしてました。ディルが怒って店を出ていったら「追いかけろ、女は後を追われたがってるんだ」とか)
あと、いつもジミー(ファーガス)の名前を間違えるいやみったらしい工事現場の社長もよかったっす。
脇役もいいな、と思った映画でした。
オープニングで流れる曲はパーシー・スレッジの「男が女を愛する時」
エンディングはライル・ラヴェット「スタント・バイ・ユア・マン」(オリジナルはタミー・ウィネット)そして、ボーイ・ジョージが歌う「クライング・ゲーム」へと流れていきます。音楽も素晴らしい映画でした。
パーシー・スレッジは4月15日に亡くなったそうです。こちらに記事 合掌