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温州ミカンが骨粗鬆症防止に効果か

2012-12-28 | 健康・病気

 農研機構(農業・食品産業技術総合研究機構)果樹研究所と浜松医科大学の研究で、「温州ミカンを良く食べる閉経後の女性は、骨粗鬆症になり難い」と発表した(2012年12月22日プレスリリース)。
 温州ミカンに多く含まれる「ミカンを黄色くする色素」”β―クリプトキサンチン(β-cryptoxanthin)”色素の血中濃度が高い閉経女性は発症リスクが約9割下がるという。
 浜松市(三ヶ日町)における住民457人(男性146人、女性311人)を対象とした栄養疫学調査からで、温州ミカンなどの果物や野菜に含まれる色素と骨密度の関係を4年間追跡調査した。調査開始時に骨に問題がなかった閉経女性187人を、β―クリプトキサンチンの血中濃度で3群(高・中・低の濃度群)に分けた。高濃度群(温州ミカンを毎日4個程度食べる)の62人のうち骨粗鬆症となったのは1人、低濃度群(毎日1個食べるか食べないか)の62人のうち9人が発症した。
 この結果を基に、年齢・閉経後の年数などを考慮して発症リスクを割り出した。低濃度群を1.0とすると、高濃度群は0.08になった。男性や閉経前の女性ではこの様な関連は認められなかった。研究チームは”β―クリプトキサンチン”が骨粗鬆症を抑制する仕組みを今後解明したい、としている。
 破骨細胞(骨吸収に関わる細胞)は古い骨基質を溶解し、骨芽細胞(骨形成に関わる細胞)が骨基質を合成して、骨の形成・成長・代謝が起きている。この骨芽細胞と破骨細胞のバランスが崩れ、破骨細胞の骨吸収が活発化・暴走が骨粗鬆症の発症原因の一つと考えられている。温州みかんエキスは破骨細胞分化抑制活性があり、その作用に”β-クリプトキサンチン”が関与していると考えられる、との事。
 ◆温州みかん(ウンシュウミカン)
 ミカン科ミカン属 英:Satuma Mandarin
 温州とは中国の地名で、みかんの中心的産地として知られる。このミカンは中国とは無関係で、鹿児島(旧薩摩:satuma)で生まれた突然変異種のミツカン(蜜柑)が起源である。名称は、みかんの産地として有名であった「温州」にちなんだだけと考えられている。
 温州みかんは、一般に「みかん」と呼ばれている果物の名称である。温州みかんにも色々な品種や系統があるが、これらの総称としても使われている。
 ◆独立行政法人 農業・食品産業技術総合研究機構
 農林水産省所管の独立行政法人。略称「農研機構」、NARO。
 農研機構は本部と13の内部研究所や研究センター、農業者大学校、生物系特定産業技術研究支援センターからなる。
 果樹研究所は内部研究所の一つで、主としてカンキツ類、リンゴ、ニホンナシ、モモ、クリ、カキ、ブドウ、ウメ、スモモなどに関する育種、栽培、病虫害などに関する研究を実施している。
 果樹研究所:http://www.naro.affrc.go.jp/fruit/

 

 見上げる様な木に橙色のナツミカンが生っている。全部が橙色ではなく、所々まだ緑色の実がある。彩りが少なくなった冬の季節に黄色で大きな果実をつけるナツミカンは貴重だ・・美味しいし。
 ナツミカンの北限は新潟・茨城・福島県と聞くが、ここ仙台でもこんな大きな木が見られる・・改良品種?、近年の温暖化の影響?。

Natumikan12281  ナツミカン(夏蜜柑)
別名:夏柑(なつかん)
   夏橙(なつだいだい)
ミカン科ミカン属
常緑小高木
開花期は4月~6月
花は5弁で白色、芳香もある
果実は翌年の4月~6月(初夏)に熟し、径12cm位で重さ300~500g程となる。果肉は多汁で酸味が強い。
原産地は日本
江戸時代の中頃に、山口県長門市仙崎に漂着した文旦系の柑橘の種を育てたのが起源とされる。この原木は現存(ただし原木部分は根のみ)し、天然記念物に指定されている。明治時代に山口県に、そして日本の各地に広がった。


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