慶応義塾大学の秋好健志助教らは、グレープフルーツと薬の飲み合わせについて、相性の悪さに個人差がある仕組みを解明した。(8月18日の報道より)
グレープフルーツに含まれる成分には、私達の体内にある小腸で薬を分解する酵素「CYP3A4」の働きを弱めるものがある。分解酵素の仲間は幾つもあり、個人により持つその量は違うため、飲み合わせの個人差が生まれる。グレープフルーツジュースをコップ1杯飲むと、1時間後には、「CYP3A4」75%が働かなくなる。医薬品は小腸で分解されて減る分を考えて作られている。酵素が働かなくなる場合は薬が吸収され過ぎて、血中濃度が通常の2~3倍となる。
約20種類ある「CYP3A4」の仲間を試験管で調べると、グレープフルーツによる影響に約10倍の差があった。これらの酵素をどれだけ体内に持っているかは個人差がある。中には、酵素が少なくて薬を3倍近く取り込み深刻な副作用を起こす恐れがある人もいた。
◆グレープフルーツジュースと薬の相互作用
グレープフルーツジュースとある種の薬は一緒に服用すると、薬の血中濃度が上昇して効きすぎを起こすことがある。その薬としては、免疫抑制剤、降圧薬(カルシウム拮抗剤)、HIVプロテアーゼ阻害剤、HMG-CoA還元酵素阻害剤などである。
私達は体内に薬を解毒する代謝酵素を持っており、消化管粘膜にも存在する。グレープフルーツジュースには薬物代謝酵素(CYP3A)の働きを阻害する成分が含まれている。このため薬の分解が遅くなり、血中濃度の上昇などを引きおこす。
今日の天気は雲が多いが晴れ。気温も25℃位までと暑くなく過ごし易い。
近所の幼稚園に植えられている柿の実が黄色くなってきた。空の青に雲の白、黄色と緑、秋が始まった配色だ。本格的な秋が来れば美味しい柿の季節となる・・楽しみ。因みに、この柿は渋柿で、渋柿の突然変異種と考えられての甘柿ではない。
柿は縄文・弥生時代の遺跡から種が出土するほど古い時代から愛された果物である。名(カキ)の由来には、秋に赤くなる葉と黄色になる果実から、あかき(赤黄)→かきとの転訛説がある。
カキノキ(柿の木)
カキノキ科カキノキ属
落葉樹
雌雄同株
雄花と雌花が別々に咲く
開花期間は5月~6月
花は白黄色で目立たない
果実(柿)は秋に橙色に熟す
柿の品種は千種を超える程に多く、渋柿と甘柿に大別される
甘柿は渋柿の突然変異種と考えられている
鎌倉時代の建保2年(1214年)に神奈川県川崎市の王禅寺の山中での自生を偶然発見され、これが日本初の甘柿とされている