秋田県立大の小西智一准教授と農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)の高橋洋子上席研究員は、動脈硬化症の原因となり得るリポタンパク質を発見し、「LAC(LDL-Antiprotease Complex)」と命名した。
研究チームは、ラットの血清をゲルろ過で分析。物質にダメージを与えずに分離できる手法を用い、リポタンパク質が従来考えられていた4種類ではなく、今回発見したLAC1とLAC2を含む9種類であることを確認した。
リポタンパク質はタンパク質と脂質の複合体で、食事から吸収した油脂や肝臓で作られた脂質を血液内で運ぶ。4種類あるうち、肝臓で作られたコレステロールを運ぶのが低密度リポタンパク質(LDL)。体内でコレステロールを回収し、肝臓に運ぶのが善玉コレステロールの高密度リポタンパク質(HDL)である。動脈硬化症の一因に、脂質と死んだ細胞などが固まったアテロームの蓄積があり、これまではLDLが要因とされてきた。
今回発見のLAC1とLAC2は、コレステロール全体の3~4割を占めることが分かり、血栓を溶かす作用を妨げるタンパク質の含有量も多かった。超遠心分離法では、比重の近いHDLの一部として検出されていた可能性が高い。
小西准教授は、「善玉コレステロールとされていたHDLの中にLACが含まれていた。今回はラットの実験だが、ヒトにもあると予想される。簡単に測定できるようになれば動脈硬化への効果が確認できるのではないか。」と話している。
◆ゲルろ過
細かい穴の開いた多孔質ゲルの粒を詰めた水管に、分離したい物質を通して分離する手法。
大きな物質はゲルの穴に入らないため、早く通過する。一方、細かい物質はゲルの穴に入り込みながら水管を通るため、より長く時間がかかる。
◆血栓で血管が詰まり、血流がストップする
これには、心筋梗塞や脳梗塞などの病気がある。
血栓の原因となるのは、Fibrin(フィブリン)で、傷ができた時に固まって止血する役割があり、これが網目状になって固まると血栓ができる。
フィブリンが固まりやすくなる理由は、
1、心房細動によって、血液が淀む
通常心臓は規則的に1分間に60~100回拍動する。心房細動になると、心臓は不規則に300回以上拍動する。
2、動脈硬化により、血管が傷つくと、傷を治そうとして固まりやすくなる
フィブリンは傷を治そうとして固まりやすい状態になる。
そのフィブリンが心房細動によって、淀みやすくなった心臓に戻ると、巨大血栓を作る
研究チームは、ラットの血清をゲルろ過で分析。物質にダメージを与えずに分離できる手法を用い、リポタンパク質が従来考えられていた4種類ではなく、今回発見したLAC1とLAC2を含む9種類であることを確認した。
リポタンパク質はタンパク質と脂質の複合体で、食事から吸収した油脂や肝臓で作られた脂質を血液内で運ぶ。4種類あるうち、肝臓で作られたコレステロールを運ぶのが低密度リポタンパク質(LDL)。体内でコレステロールを回収し、肝臓に運ぶのが善玉コレステロールの高密度リポタンパク質(HDL)である。動脈硬化症の一因に、脂質と死んだ細胞などが固まったアテロームの蓄積があり、これまではLDLが要因とされてきた。
今回発見のLAC1とLAC2は、コレステロール全体の3~4割を占めることが分かり、血栓を溶かす作用を妨げるタンパク質の含有量も多かった。超遠心分離法では、比重の近いHDLの一部として検出されていた可能性が高い。
小西准教授は、「善玉コレステロールとされていたHDLの中にLACが含まれていた。今回はラットの実験だが、ヒトにもあると予想される。簡単に測定できるようになれば動脈硬化への効果が確認できるのではないか。」と話している。
◆ゲルろ過
細かい穴の開いた多孔質ゲルの粒を詰めた水管に、分離したい物質を通して分離する手法。
大きな物質はゲルの穴に入らないため、早く通過する。一方、細かい物質はゲルの穴に入り込みながら水管を通るため、より長く時間がかかる。
◆血栓で血管が詰まり、血流がストップする
これには、心筋梗塞や脳梗塞などの病気がある。
血栓の原因となるのは、Fibrin(フィブリン)で、傷ができた時に固まって止血する役割があり、これが網目状になって固まると血栓ができる。
フィブリンが固まりやすくなる理由は、
1、心房細動によって、血液が淀む
通常心臓は規則的に1分間に60~100回拍動する。心房細動になると、心臓は不規則に300回以上拍動する。
2、動脈硬化により、血管が傷つくと、傷を治そうとして固まりやすくなる
フィブリンは傷を治そうとして固まりやすい状態になる。
そのフィブリンが心房細動によって、淀みやすくなった心臓に戻ると、巨大血栓を作る