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脳内のアミロイドβの量を減少させる光触媒を開発

2018-03-26 | 医学
 アルツハイマー病はアミロイドβ(Aβ)ペプチドが直線状に凝集してできたアミロイド線維が原因と考えられている。このアミロイドβペプチド(Aβ)凝集体を短波長の光の照射により無毒化する光触媒が開発されているが、より生体との適合性の高い波長の光で働く触媒が望まれていた。
 東京大学薬学系研究科金井求教授、ERATO(戦略的創造研究推進事業総括実施型研究)金井触媒分子生命プロジェクト相馬 洋平グループリーダー(講師相当)、東京大学薬学系研究科富田泰輔教授らの研究グループは、「近赤外光の照射によりマウス脳内のアミロイドβペプチド(Aβ)の凝集体を減少させる光触媒の開発に成功した。」
  凝集体:凝集分子が集合して固まっている
  光触媒:光を当てることで特定の反応を進行させやすくする分子
 Aβの凝集体が神経細胞を傷つけると(細胞傷害性)がアルツハイマー病発症につながると考えられている。本研究グループは、生体内で触媒反応を引き起こしてAβの凝集体の形成を阻害することによるアルツハイマー病の治療法の確立に挑戦している。これまでに開発した触媒は、Aβの酸素化による凝集の阻害や細胞傷害性の低減に成功しています。
  酸素化:酸素化物質が酸素と結合する化学反応で酸化の一種
 近年は副作用を低減する目的で、Aβ以外の生体分子には作用せず、細胞傷害性を持つΑβ凝集体だけに作用する触媒も開発しています。しかし、これらの触媒をAβと反応させるには、人体に影響のある短波長の光が必要で、光による細胞傷害性の高さや、生体組織への透過性の低さが課題であった。
  生体分子:生体分子生体内に含まれ生命活動に重要な働きを持つ分子の総称。
       たんぱく質、脂質、核酸、ホルモン、アミノ酸など。
 光触媒自体を医薬として応用するには、より生体との適合性の高い光で働くことのできる触媒が必要であると考え、生体組織への透過性が高い近赤外光の照射により活性化する光触媒を開発した。マウスの皮膚を透過した近赤外光は光触媒を活性化し、皮下に存在するΑβ凝集体を酸素化し、凝集を抑えた。さらに、アルツハイマー病モデルマウスの脳内におけるAβの量を減少させることにも成功した。
 今後、触媒によるAβの酸素化が細胞傷害性を抑制し、アルツハイマー病の症状を改善するかどうか検証を重ねることで、触媒反応を用いた新しいアルツハイマー病治療法の確立につながると期待される。

 3月もあと少しでお終い。春が来る。
 先駆けの”フキノトウ”が出始める。少し開き加減だが、まだまだ美味しく頂けるかな。
 ”フキノトウ(蕗の薹)”はフキ(蕗)の花の蕾で、葉が出る前に花蕾(フキノトウ)だけが地面に出てきたのだ。早春の雪解けの防寒のためか、蕾を苞(ほう)が厚く取り巻いている。
 フキノトウ(蕗の薹)
   フキ(蕗)の蕾
 キク科フキ属
 原産地は日本、樺太・朝鮮半島・中国にも分布する
 多年草
 蕾の状態で摘み採り、煮物・味噌汁・ふきのとう味噌などで食べる
  (花が咲いてしまうと苦い)