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木質バイオマスからの糖製造コストを削減、由来化成品の普及拡大に期待

2019-02-17 | 科学・技術
 産業技術総合研究所バイオベース材料化学グループ藤本真司主任研究員は、木質バイオマス(広葉樹)からの糖製造の水使用量を削減すると同時に、糖化率を大幅に改善する技術を開発した(1月11日発表)。
 木質バイオマスからの糖製造では、一般的に前処理と酵素糖化が必要である。その中で水と熱しか用いない前処理である水熱処理は、環境負荷が小さいという利点があるが、大量の水を使用するという問題があり、バイオマス原料の5~10倍程度の水が使用されている。さらに、水熱処理単独の前処理では糖化率が低いため、薬剤処理(薬剤法)や粉砕処理(水熱・メカノケミカル法)が必要な場合もあり、糖製造コストを増加させている。
 今回開発した技術は、従来の水熱法と比べ、水使用量を9割程度減らすことで加熱エネルギーを最大で80%以上低減する。ともに、自己生成される有機酸の効果により、水熱処理単独の前処理にもかかわらず90%を超える糖化率を達成した。その結果、薬剤処理や粉砕処理が不要なので主要なランニングコストを70%以上削減できた。
 この技術は、木質バイオマスから糖化を経て合成される化成品の開発・普及への貢献が期待される。
 因みに、研究は2019年1月16~17日に広島県東広島市で開催される第14回バイオマス科学会議でも発表された。
 ◆用語説明
 〇バイオマス
 再生可能な、生物由来の有機性エネルギーや資源で化石燃料は除いたもの。
 木材、草、海藻、生ゴミ、紙、下水汚泥などの有機物がある。
 〇前処理
 後段の酵素糖化の効率を向上させるために、バイオマスの強固な構造を壊し、構成成分を分離するための処理。
 〇酵素糖化
 酵素によってセルロースやヘミセルロースのような多糖を単糖や二糖にすること。
 〇水熱処理
 100℃以上の高温高圧の熱水で木材などのバイオマスを処理する方法。酸処理と同様の効果が得られる。
 〇ランニングコスト
 プラントの建設費などの初期費用がイニシャルコストと呼ばれるのに対して、運用に関わる費用のこと。
 〇カーボンニュートラル
 排出される二酸化炭素と吸収される二酸化炭素が同じ量である状態。
 植物は光合成によって二酸化炭素を吸収するので、燃やしても排出される二酸化炭素の量は吸収した量と同じになる。

 今日の天気は晴れ。段々と温かくなる気配・・最高気温8℃とか。
 畑で春作業の準備をして、お買い物に出かけた。買い物ビルの屋上から太白山が見えた。雪は積もっていない。
 ◆太白山
 宮城県仙台市太白区茂庭にある山。山頂部にある三等三角点「生出森」の標高は、320.61メートル(2014年4月1日)。
 仙台富士、または名取富士とも呼ばれる。
 山は、ゆるい裾野からコポっと立ち上がり、俗称:おっぱい山・・!!。