KUMIの句日記

写真と一日一句で綴るブログ。句の転載を禁じます。

近付く別れ

2020年12月06日 | 俳句
天気 晴

だんだん、家との「別れ」の日が近づいてくる。引き渡しまで数えるほどしかない。今日は、通信のすべてを契約していたJCOMの機器撤収に立ち会いながら、また、家の中を少し見まわしてしまった。
玄関と部屋の壁にある3枚の油絵は、29歳で事故死した義弟の作品。本職の画家ではなかったが、玩具メーカーのミニカーのデザイナーだったので、素人ではない。この絵は、20歳前に描いた、山下公園からの横浜港のものらしい。光線の具合で絵の雲の色がかなり汚く見えるけれど、実際は、半世紀以上過ぎても元の濁った白色をまだ保っている。夫が遺作の中でいちばん気に入っていて、居間に掛けていた。家の一部になっていたようなもの。でも、義弟と夫には申し訳ないが家具などと共にすべて処分する。
私の蒐集品も本も和服も古い写真母の作品も捨てるのだから、何もかも「許してください」の終活。私名義の家だから私の勝手。

気を取り直して・・昨日買ったタルトを食べてみた。小皿は、唯一持ってきた、九谷焼。陶工の句友(というか若いが結社の先輩)の作品だ。大震災のとき二枚は割れてしまい、生き残りの一枚。なので縁が少し欠けている。


う~ん、栗入りは初めてなのでそれなりに美味しかったけれど、カステラ部分は、いつも買うご近所のスーパーで売っている普通のタルトの方がしっとり感があった。どちらも宇和島の老舗の品。子供の頃からお土産の美味しいお菓子、といえば一番は成田名物米屋の羊羹、と思っていて、父の転勤で千葉から四国へ行ったときに食べたタルトに度肝を抜かれた。それ以来のタルト好き。どこかにもっと美味しいタルトがあるかも・・と思いつつ、年月が経ってしまった。

宇宙より戻りしものよ雪の富士   KUMI
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6 コメント

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Unknown (小父さん)
2020-12-06 22:17:18
「宇宙より戻りしものよ雪の富士」
目が止まったのですが前段に対して、「雪の富士」は季節を表わしているだけなのでしょうか?(汗)

「山下公園からの横浜港」の絵も心を捉えました。長兄を見舞った最後の日の面会時間待ちをここで過ごしていたもので・・・。

29歳とはお若いですね。

>私名義の家だから私の勝手。

ははは、断捨離にも覚悟が必要ですよね!

>気を取り直して・・昨日買ったタルトを食べてみた。

この文章は好きです、ちょっと小説家みたい。

>千葉から四国へ行ったときに食べたタルトに度肝を抜かれた。

へーっ、全く異なる文化にも触れられたんですね。

有難うございました。
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甘い物は (mako)
2020-12-06 23:26:31
心身共に癒されますね。

こんばんは。
タルトというより、ロールケーキのような感じですね♪
私も一日一回はスウィーツを何かしらいただいています。
子供の頃から縁のなかったものですから大人になって、しかも最近は好きなものを食べられるうちが華なかなとも。
断捨離は潔さが必要ですね。
私は何もないんですが、写友からいただいた写真は次世代に引き継いでもらいたのですが^^;
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暮しが変る (ふきのとう)
2020-12-07 14:41:17
粗末になさった訳ではなく、暮らしの状況がかわったのですものご主人様もきっと許してくれるに違いありません。甘いものを頂くと心身ともにホッと致しますね。それにしましてもずいぶん大きな栗入りのタルトでしたね。きょうも小春日和です。私も雨が欲しくなりました。暖かいほうが良いには決まっていますが、自然界の湿度も欲しいような気がします。
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小父さん、相当の覚悟 (KUMI)
2020-12-07 15:39:09
自分で自分のタカラモノを捨てのは、思っている以上に身を切られる思いがします。
自分の生きた証を98%くらい捨てるのですから。
やっぱり、先に逝くのが得ですね。

大昔、四国と関東では大変な文化の違いがありました。
成長期に瀬戸内海の空気を吸えて、とっても良い「学習」をしました。
今は、行く前に何でも解ってしまいますから良いやら悪いやら。
今もって、うどんは讃岐うどんしか認めていません(笑)

難しいですねえ、取り合わせの句の駄句の説明は・・とにかく、意味は読んだ人のお好きに。
波郷の名句  雪嶺よ女ひらりと船に乗る
「何で雪嶺、という季語がこの句に必要なの?」となるのと同じような・・
宇宙から帰ったら、日本人なら今の時期は雪の富士では・・と。
駄句の作者はとんでもないことを考えます。
JAXAの研究所のある相模原からも、富士山は見えますし。
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makoさん、1本ものも売っていました (KUMI)
2020-12-07 15:48:17
元々は、タルトは一本もので買うのが普通ですから、やはりロールケーキでしょうね。
いつも、makoさんの美味しそうなスィーツを羨ましく眺めています。
でも、あの量を食べたら、食事からご飯をなくさないと私には・・なのです、トホホ

本当にすべてを捨てる、くらいの覚悟でした。
本は、家に行ってももう見ないようにしています。
主宰の句集も、全句の載った索引だけを持ってきました。
なくても暮らせる・・ほんと、最後の決め手はそれだけですね。
makoさんはご自分の家ではないので、全てを片付ける必要もないと思いますよ。
私は、何しろ家を売らないと暮らしていけないものですから(笑)
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ふきのとうさん、潔くありませんね (KUMI)
2020-12-07 15:53:09
最後になってきて、めそめそしていては覚悟がろこへやら、ですね。先に逝くのが何しろ得です。栗につられて買いましたが、しっとり感がもう少し欲しい、と思いました。
小春日も、そろそろ終わりらしいですね。師走ですから、寒さが来るのは当たり前、と思いつつせわしないことです。
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