吟行句会・生田緑地

天気　晴

先月も寒かったこの吟行、でも今日は風が冷たくても日差しがあるので何とか寒さをしのげそうだ、と思った。11月の方が曇天に時雨がきたりで寒かった。今日は、雪国へ行くような覚悟の支度をして。
来年は場所を移しての吟行になるので、こことは暫くお別れ。

寒いときは緑地内の民家園に入って風のない場所の古民家の縁側で日向ぼこでもすればいい。ところが、園内は修復工事があちこちで行われていてあまり歩き廻れない。仕方なく、一軒の「農家」の縁側に陣取っての句作。風のまったく来ない場所、おまけに家の中には正月用意のあれこれが展示されていて、なんだか子供の頃に戻った気分になれた。
土間に続く炉辺の部屋には、今出来上がった、という風に莚の上へ小さな鏡餅がたくさん並んでいた。

「揃ひけり杵臼蒸篭年用意」・・と作ったが、この季語では餅つき始めます、と言っているだけになる。どうしようかなあ、と歳時記を開いたら、餅搗の傍題に「餅莚」があった。
そうそう、子供の頃、我が家では搗いてのし餅や鏡餅にしたあと、普段使っていない茣蓙に置いていた。水分を発散させるためだったろう。農家ではなかったから莚は使わなかった。でも、農家だったら新しい莚はたくさんあったから、莚を使ったのではないか。
「餅莚」が歳時記にあるとは、私も初めて知った。

揃ひけり杵臼蒸籠餅莚　KUMI

として句会に出したが、誰も振り向かず。もっとも、他の句も、今日はあまり芳しくなかったが。とはいえ、子供の頃に帰れた風景なので、今日の中ではいちばん好きな句だった。
で、帰路の電車の中でもう一度推敲していて、はっと気づいた。
参加者には、「餅莚」とは読まれないで、「餅・莚」と読んだのだろう。それも仕方がない。みんな私よりも若いし都会育ちで、餅搗き風景なんて体験していないだろうし・・

と思い、推敲した句。ま、自分だけの思い出の句ではあるけれど。

ととのひぬ臼杵蒸籠餅莚　　KUMI

猫背

天気　晴

穏やかな日差し、風は冷たくてもほっと出来る日だった。でも寒波の北国はまた大雪という。
異常気象は冬も続くということか。

先日のペット検査の結果を聞きに病院へ行って「異常なし」と告げられてほっとしたら、今度は主治医の見せてくれたペットで写した我が全身写真が気になった。痩身と足の短いのは仕方がないとしても、こんなに猫背だった？と。
最近、少し猫背気味になったなあ、と思いつつも「まだ大丈夫」と思っていた。が、仰向けに寝て撮った検査の写真で猫背ということは・・
太極拳を始めた頃、先生から「姿勢がいいですね」と褒められた。（って、覚えも悪いしいつまでも下手なので他に褒めるところがなかったからだろうけれど）
あれから10年・・気を付けて背中を伸ばすストレッチなどしていたのに、知らぬまに猫背になってしまったのだ。仕方がない、と思うべきか、いやこれ以上年寄りじみた格好にならないように頑張るべきか。
などと思いつつ、リハビリ通院納めの今日、なるべく背筋を伸ばして歩いてみた。

マスクしてマスクの人と眼が合ひぬ　　KUMI

捜し物

天気　晴のち曇がち

相変わらずの寒さ・・といってもこの時期になれば、もう平年でも寒くて当たり前なのだろう。
少し早めに年賀状も作り終えて、少しは家の中を片付けたい、と思いつつなかなか気合が入らない。掃除のあとに捜し物。最近は「ここにあったはず」のモノが見つからないことの多いこと。眼鏡も時々見失うし、携帯電話も音が鳴らないとわからなくなるし・・そんな中で、どうしても必要としていたものがやっと見つかった。どこにあったかというと、いつも入れていた引き出しに。
何度も同じところは捜したいたのに見つからなかった。理由は、一筆箋を使ったとき、それを引き出しの一番上に入れてしまい、見えなくなっていたのだ。
失せ物の捜索は、本当に疲れる。夫婦で交互に「捜し物」をしているのだから困ったものだ。

カレンダーを見たら、あと1週間だ。
障子を貼り替えよう、という計画もあるし、震災のあとに結構片付けたのにまた雑然としてきたので少し考えねば。・・と、思うだけで終わりそうだ。

失せ物のひとつ見つかる聖夜かな　　KUMI

お礼参り

天気　曇のち晴

相変わらずの寒さ続き。でも、寒いのを理由に家に籠っていたらきりがないので散歩がてら薬師堂へお参りに行った。
重要文化財の薬師如来さまは年に一度の御開帳でしかお目にかかれないが、何かといえば薬師様頼み。今まで無事に生きていられたのもそのおかげかもしれない、と、だんだん思うようになった。
お参りをしてから、いつもはチラと見過ごすだけの境内のお地蔵様も拝してきた。もう顔の存在すらわからないような古いお地蔵さまが三体並んでいる。長い長い年月、その時代時代を見てきたのだろう。


写真にするのは初めてだ。残念、寒くて公園まで行くつもりはないのでコンパクトデジしか持っていなかった。

そのまま、遠回りになるがちょっとスーパーまで。ああ、明日はクリスマスイヴ・・と、スーパーの雰囲気で思い出した。あと1週間で今年も終わる。

山茶花の散るや地蔵の供花になり　　KUMI

良かった～

天気　雨のち曇のち晴

先週のPET検査の結果を聞きにいく日。土曜も各科で必要なところは半日だけ診察をしている。
雨が強くて何だか気分も暗くなってきて・・ちょっとだけ覚悟もしていたが、結果は「大丈夫でした」のひと言で終わった。
良かった～～である。リンパに出来た小さな幾つかの影はPETの写真には写らなかった。つまり、悪性のものは全身に認められなかった、ということだ。
でも、慎重なドクターは半年後にまたエコー検査をするという。5年を過ぎたらもう検査は1年に1回なのだが、性格の悪い細胞なので仕方ない。ま、早く発見されれば打つ手もある、ということだろう。ともあれ来年の検査までは、がんに関しては安心して暮らそう。

枯れきつて梢に揺るる葉のいちまい　　KUMI

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昨日、気を紛らすためにデジブックを作りかけていた。もう写真を印刷して残すこともないので、この方法がすっかり気に入っている。これで3年目。
毎年同じようなことをしているなあ、と思うけれど、それが出来るのは生きている証拠。


デジブック 『振り返る2012年』