白皚々、東京に雪降りぬ。
こんなに雪の降る冬は珍しいような気がする。
東京では、三月にまとまった雪が降ることはよくある。
しかしそれは一日だけなのである、
こうして一月二月と、雪の降る日が何日もあるのは、珍しい気がする。
それがどのくらい珍しいかというと、えーと。
とくに想い出せない。
まあ、そのへんはあまり追求しなくてもいいとして。
こうして暗い空に閉じこめられていると、気分も鬱々としてくる。
こんなときに救世主として現れるのが、微笑みの国タイランドの缶詰なのだ。
古式ゆかしいキコキコ式開缶
これは揚げたサバを「Sweet&Sour Sauce」に漬けたものと書いてある。
つまりサバの南蛮漬けということであろう。
これを本日はサンドイッチにしてみたい。
魚のサンドイッチなぞ、聞き慣れない読者諸賢もいるかと思う。
しかし西洋には、そのような食べ方があるらしいのだ。
特にイタリアやイギリスあたりにあったような気がする。
チャップリンの映画にも出てきたような気がする。
どうも本日はすべてにおいて「そんな気がする」に基づいて進行していくような気がする。
かくのごとし。
外観を見る限り、特に美味そうだとも、不味そうだとも思えない。
ただ、やっつけ料理だという印象は非常に強い。
しかし肝心のサバ南蛮漬けからは、あろうことか、ニチロの『いわししょうゆ味』缶にそっくりのかほりが漂ってくる。
ともかくも、一口...。
ややっ。お味も『いわししょうゆ味』缶に似ている、ような気がする。
そもそも、いわしとサバはまるで違う魚なのだが、
「これいわしだよ」と出されたら、きっと自分は分からないような気がする。
しかし咀嚼が進むにつれ、唐辛子の辛みが口中を支配してくる。
酸味もわずかに感じられる。
繊維質の多い食感は、やはりサバ独特のものだ。
それがバターの香る甘いパン(Pasco製)と、しゃくしゃくのサニーレタスとあいまって、そのー。
あいまって、えー、「とても美味しい」と言いたいところだが。
やはりやっつけ料理のお味という気がする。
せっかく陽光の降りそそぐタイランドの缶詰を、台無しにしてしまったような気がする。
どうもあれですな。「そんな気がする」なんてあやふやな意思に基づいた行動というのは、最後まで煮え切らないものですな。
内容総量:150g
固形料:100g
原材料名:サバ、砂糖、トマトペースト、チリ、パームオイル、タマネギ、塩、にんにく、保存料
原産国:タイ