物事の終わりは哀しい。
寝台列車が廃止されたとか、ジャンボジェット機が運航終了とか、そんなニュースを耳にするたび
「ああ、ついになくなってしまうのか...」
嘆息してしまう。
僕は寝台列車に乗ったことはないが、それでも、きれいに飾られた最終列車がホームを去っていく姿など見ると
「ああ、何とか存続はできなかったのか」
と切なくなる。
鉄道ファンが、涙を浮かべながら手を振って見送る姿を見て、思わずもらい泣きしたりする。
と、ここで話しは缶詰に移る。
画像は、東急プラザ渋谷にあったロシア料理店・渋谷ロゴスキーの缶詰『いなか風ボルシチ』である。
お店の味が家でも手軽に食べられるという、嬉しい缶詰である。
しかし、東急プラザ渋谷は3月22日に閉館してしまった。
物事の終わりは哀しい。実は渋谷ロゴスキーに行ったことはないが、東急プラザ渋谷には想い出がたくさんあるのだ。
ぱかりと開缶。
透き通った赤い汁が鮮やかだ。ビーツの色素から出た色でありましょう。
鍋にあけ、缶に半量の水を足して、くつくつと温める。
生クリームを垂らして、かくのごとし。
ひと口頬張ると...。むっ、実にウマいです。
ほどよい酸味があるところに、生クリームがかかったところはミルキーさが加わっている。
じゃがいもが美味しい。口の中でさらりと溶けていくのは男爵らしい食感だが、それでいて煮溶けていないのは見事であります。切り口の角も立っているし、よほど下拵えが丁寧になされているのが判る。
にんじんも同様で、汁のうまみをたっぷり吸っているのにちゃんと歯応えもある。牛肉はすね肉あたりだろうか、部位は判らないが歯応えがあって野趣が香る。
製造を手掛けたのはエム・シーシー食品。新幹線の食堂車にカレーを収めたり、東京オリンピックの選手村で、当時は珍しかったいちごジャムを収めたりした実績がある。日本の洋食界をリードしてきた神戸の素晴らしい企業であります。
東急プラザ渋谷はなくなってしまったが、渋谷ロゴスキーは移転準備中だそうな。
新店がオープンしたら、今度はお邪魔してみようと思う。
内容量:450g
原材料名:
野菜(キャベツ、じゃがいも、たまねぎ、にんじん、ビーツ)、トマトペースト、牛肉、ブイヨン(牛筋肉、牛骨、鶏がら、牛肉、たまねぎ、にんじん、セロリ、なたね油、香辛料、ガーリック)、食塩、ラード、醸造酢、砂糖、小麦粉、ガーリック、ポークエキス、香辛料、ナチュラルチーズ、たん白加水分解物、酵母エキス、ビーフエキス、でん粉、調味料(アミノ酸等)
原産国:日本
販売価格:885円(税込。公式直販サイトで買えます)