2011.10.7(金)晴
近くて遠い井根でした。我が家の裏山を越えれば井根の谷なのに行ったことが無かったのです。
あまりに好天なので、久々に日吉五箇荘を訪ねました。帰って時間がまだ残っていたので井根を訪れました。
上林の村々は上林川本流の幹上林、支流の枝上林ともに入口部分が峠であったり、環流丘陵によって塞がれていたりしていて閉塞的な感がします。ところがそのゲート部分を越えて中に入ると意外に広く明るく、別世界に来たような感じがするのです。何鹿郡誌に桃源郷と言わしめているのは将にその感じがあるからではないでしょうか。井根も将にそういった谷であります。井根口から少し入ったところに売り家を探して入ったことがあります。上林の狭い道に慣れていない時、這々の体でUターンして逃げ帰りました。
そのイメージがきつく、ずっと狭くて陰気なところという思いを抱いていました。ところがその井根口の喉のところを過ぎると、ぽかっと空が開き、正面に蓮ヶ峯(544m)がでんと座っています。道は谷沿いに登って行く一本道で、右手の山から幾本もの清水が流れ出ていて、その全てに樋を設け、樽や桶が清水を満たしています。井根の語源は間違いなくこの湧き出る清水だと思いました。
喉もと過ぎれば景色が広がる。
あちこちに清水が出ているが、猪の獣道もセットにあるのがつらい。
スクールバスの転回場所があって、本道は左の尾根を急登します。登り切って少し行くと左手に高野山真言宗日圓寺の石柱が見えてきます。案内板によると747年行基の開創というから随分な古刹です。
ジグザクの急登を登る、左のピークが蓮ヶ峯。
蓮ヶ峯をめぐる寺院は十数カ所あったそうですが、今では施福寺とこの日圓寺に痕跡を残すのみということです。廃寺跡を見つけ出して修験者道を再開したらとても素晴らしいことだと思うのですが、、。
本尊は十一面観音ということです。その本堂の前に池があって、ここも豊に水が湧いています。もっと蓮ヶ峯の尾根を登っていっても水があるということですから、凄いことです。
本堂とその前の池。
お寺を後にして先程の転回場所に行くと、川沿いに細い道が付いています。まさかと思いつつ遡って行くと三軒の家があり、二股のところは常駐されているMさんのお宅でした。田舎暮らしの神髄のようなたたずまいです。
右の道を行くと三軒の家があります。
今日のじょん:補助金が出るそうでどの村でもワイヤメッシュのラッシュです(シャレ)。右の田んぼに入れなくなったら、左の畑に入るんじゃないかな?じょんも納得いかないようです。