2007.4.24(火)晴れ、夜雨
7:00 起床
9:20 奥出雲町サイクリングターミナル発~県道25号線~県道270号線~
横田町郷土資料館~R314~出雲坂根駅~R183~おろちループ~西城郷土資料館~
16:45 三好YH着~三好ベッケンビールレストラン
サイクリングターミナルは以前にどこかで見たのだが、宿泊もできる全国的な施設であることは知らなかった。今後使用することもあろうかと、ガイドブックをもらってゆく。
お礼を言って県道を南下する。交通量はほとんど無く、気持ちよく登って行く。やがて昨日の鬼の舌震からの道に出合い、その先に隠地タタラ跡という遺跡がある。タタラの跡なのだが橋が腐って落ちでおり現場に行けない。向かい岸から写真を撮るが、説明板もよく解らない。傍らの小川は真っ赤になっている。鉄分が多いのだろうか。
隠地タタラ跡と付近の川
古墳跡や列車の静止保存など楽しみながら峠を登る。丁度田植えの準備で苗代づくりの時期であり、蛙の声の賑やかなこと。峠を下りきったところに横田町の郷土資料館がある。
明治中頃の豪農の家屋を移転し、中に郷土資料を展示している。伝習館では町内のお年寄り達がわらじやわら細工の製作を行っている。地元の文化を残していこうという意気込みが感じられて嬉しい。
横田町郷土資料館内部
その後はJR木次線(きすきせん)に沿って走る。列車が走っているのは見たことがないが、平戸口で見た保守用の車両が走っている。ただし動力はエンジンとなっている。
保線の気動車とオロチ水
左の斜面のあちこちから水が湧いており、地下水が豊富な様子である。まず、おろち水というのがある。ポンプでくみ出しており、協力金を払うようになっている。ポンプで汲まなくてもじゃんじゃん湧き出ているのに、味が違うのだろうか。やがてJR出雲坂根の駅に着き、ここには延命水という有名な水がある。流石に数台の車が駐車し、ポリタンクに水を汲んでいる。二つの水源は駅の構内なのだが、地方の駅ゆえ問題ない。古狸がこの水を飲んで、100才以上生きたという言い伝えもあり、信楽の狸が仲良く並んでいる。
ボトルに汲んで飲んでみると、まずまずの味だが特別うまいとは思わない。狸には効き目があるかも知れないが、はたして人間に効果があるか否かは不明である。私が100才以上生きたら効果有りと判断していただきたい。
延命水とスイッチバックの駅
この駅はスイッチバックの駅としても知られている。同じ峠を列車はスイッチバックで、車はおろちループで登っている。各地のスイッチバックが無くなっているだけに、貴重な存在である。
前方遙か上方に赤い橋が見える、あれがおろちループの終点だ。八岐大蛇はこいつだったのか。わたしはてっきり出雲の奥に広がる暴れ川の事かと思ったのだが、、、。そして八岐大蛇の尾から出てきた宝刀とは、それこそタタラ製鉄から生み出された刀なのではないか。自動車用の傾斜になっているので、楽勝に登って行ける。展望台から見ると、おろちループとは何ともいい名前だ。景色はあまり良くないが、旧道やスイッチバックで登ってくる軌道が見えて楽しい。それでも「ヘビに注意」の立て看やそろばんをイメージした柵
の方が面白い。
おろちループとヘビに注意とそろばん玉の柵、なんとなく面白い。
トンネルを越えると広島県との境になる。ずっと下りなのだが南風が強く、ちっとも進まない。右手には比婆山に向かう道が次々現れる。かつて比婆ゴンで有名になった地域だ。
八岐大蛇以来中国山地は比婆ゴンだのツチノコだの妙な生き物が話題となる。居る居ないは別として、この山深い地域を見ていると、何が居てもおかしくないなという気持になる。
道路に並行して走る鉄路は備後落合から芸備線となる。木次線の場合は列車が走っているのを一度も見なかったが、芸備線は2,3度見かける。一両きりの車両だが、乗客は少なそうだ。備後西城で民俗資料館に立ち寄る。石見も出雲も神楽が盛んであるが、この地も比婆荒神神楽というのがあり、西城では式年を13年として二日二夜行われるそうである。
またかつてこの地は出雲同様タタラ製鉄が盛んであり、豊富な砂鉄と木炭がタタラを支えていた。タタラ製鉄は高殿といわれる製鉄小屋で行われるのだが、大きな天秤鞴(てんびんふいご)で風を送る役が番子(ばんこ)と呼ばれ、重労働のため二人ずつ三交代で風を送っていたそうだ。かわりばんこという言葉はそこから来たそうである。
この資料館は図書館と併設となっている小さな資料館だが、実は凄いお宝がある。宮田武義翁の所蔵されていた書などが寄贈されたそうだが、徳富蘇峰や川端康成、棟方志功などの書や版画が所蔵されている。
神楽の衣装
三好のユースホステルに荷物を置き、食事に行く。マネージャーに美味しいものは何かと聞くと、すかさず「ベッケンビール」とのこと。直営のレストランがあるということで、駅前の通りのレストランに向かう。この地ビールは2005年の地ビールコンテストでデュンケル(黒ビール)が金賞、ピルスナーが銀賞を獲得したそうだ。勿論日本一のデュンケルを注文すると、「昨日発売のデュンケルボックがあります」ということ、デュンケルよりコクがありアルコール濃度も7%ということである。それとステーキ御膳を注文する。はっきり言っておいしい。やはりビールは直営レストランで飲むのが一番である。ちなみにベッケンとは盆地のことだそうだ。
限定ビールは最高、一杯で酔える。
走行距離92Km(食事往復6Km含む) 累計9,128Km 経費10,761円
★奥出雲サイクリングターミナル(仁多郡奥出雲町) 一泊朝食6,000円
レストラン有り、大浴場サウナ有り、いろんなスポーツもでき楽しめそう。
★峠列伝(46)大谷峠 県道450号線 450m 困難度1 景色3 水場有り
交通量の少ない快適な、緩い峠。
★峠列伝(47)奥出雲おろちループ 国道314号線 困難度2 景色4 水場無し
実質2Km、時間は20分かかった。