2014.1.30(木)雨、曇り
穴虫について「睦志のこと」のなかで語っていく主旨は、穴虫の虫と睦志の虫が同一なのではないかという思いからである。
「西丹波秘境の旅」(澤潔著)に上林の睦志(むし 綾部市五津合町)に関する一文がある。
睦志(虫)とは墓所のことで、呉音ではではムショ(無所)で、詣で墓を意味する空無所の意味である。
上林には両墓制が残っており、どこにカメラを向けてもお墓が写る。この山の中にもいくつかあって、すべて詣り墓である。
澤先生の「丹後半島の旅」「京都北山を歩く」などについては造詣が深い作品として尊敬していたが、「西丹波秘境の旅」については信頼性が低いと感じていた。また、上記の一文についてもムショを詣で墓としている点が納得がいかず、睦志(虫)のことだけに無視してきた。
しかしムショが墓所を指す言葉であることは間違いはなさそうだ。全国方言辞典には以下の例がある。(地域は省略)
むしょ=火葬場、墓
むじょーど=死者を埋葬する人、穴掘り人。
むしょどころ=墓所
むそーば=墓所、墓
むそんごしらえ=盂蘭盆の前に墓を掃除すること
ムショ=墓所というのは理解できる。しかしそれが虫に転訛するのかどうかというのは単純には語れないと思う。少なくとも和銅6年(713年)の好字令とは無縁のもののようだ。好字令では二字佳名が基本だから無所、墓所が虫になることはあり得ない。
ただ無所、墓所であったところに人が住むようになってくると、忌み嫌われる呼び名なので差し障りのない文字に変えてしまいたいという思いは理解できる。つづく
【今日のじょん】夕べの10時ぐらいか、異常に吠えるので外を見ると、玄関のセンサライトが点いている。ライトを持ってベランダに出ると、鹿が畑の向こうに逃げて行く。この時期一体何を食いに来るんだろう。朝になってじょんと見回ると、例の蔓の葉っぱ、龍のヒゲなどがやられている。概して厚みのある葉を狙っているみたいだ。あまりに目の前に見ると対策を考えないといけない。
つる草ぐらいはいいんだけど、やがて植木や野菜がやられそう。