2020.4.26(日)曇り
日本の合計特殊出生率はというと2018年のデータで1.42ということである。一人の女性が一生に生む子供の数と言うことだが、夫婦二人として二人生まれればトントンという勘定だが、実際はそうではない。病気や事故で次世代の子供が生まれる前に死んでしまう可能性もあることだから、2.07がトントンになる数字だそうだ。日本だけで見れば人類は確実に絶滅に向かって突き進んでいることになる。では世界ではどうかというと2.43だそうだ。どうやら絶滅は免れそうだが、出生率の多い国はアフリカを主とした発展途上国で、戦争や飢餓などの社会的不安要素を考えると必ずしも安心できるものでもなさそうだ。
最終的にホモサピエンスとネアンデルタール人が生存していたが、なぜネアンデルタール人が絶滅してホモサピエンスが生き残ったかは興味深い問題である。様々な意見があるが、わたしはホモサピエンスが弱かったからだと思う。体格はネアンデルタール人の方が大きいし、力も強い、そのためだろうか脳の容量も大きいのだ。ヒトの1,350ccに対して1、550ccもあったのだが、より賢いと言うより機能的な差違があったのかもしれない。
いずれにしてもひとりだけを見ればネアンデルタール人はホモサピエンスより強くて大きい、それなのに滅んでしまったのだ。温暖で食料に不自由もしない環境であれば強くて大きいものが生き残るだろうが、厳しい環境下では逆の現象が起こる。隕石落下後の寒冷化した環境でそれまでの王者恐竜が滅び、小さくて弱いほ乳類が生き延びたのと同様である。ネアンデルタール人の基礎代謝はホモサピエンスの1.2倍だったそうだ。単純に1.2倍のエネルギーを必要としたわけで、食料も1.2倍必要だったわけだ。エネルギーが限られた世界ではこの差は大きく影響するだろう。
更科氏は「子孫をどれだけ残せたかの差である」と言っておられる。これは「小さくて弱いもの」が生き残ると言うことと矛盾しないと思うのだが、、、。つづく
あらゆる本の中に進化の話は出てくるが、進化そのものに関する本は余り持っていないものだ。