2006.9.13(水) 晴れ 曇り
7:00 起床
9:35 国民宿舎男鹿発~入道崎~男鹿半島一周~R7~
16:25 ユースパル着
秋雨前線が停滞し、全国的に雨の予報だが、東北北部日本海側と北海道は好天の様子、何か申し訳ない気持ちで出発する。宿からの急登で、朝風呂でさっぱりした体も汗だくになる。入道崎に向かうツバキロードに出ると、右手に昨日の宿泊地男鹿温泉郷方面の岬、北方彼方に津軽の山影(たぶん白神山地あたりか)、眼下に岩礁の海が見えてとても美しい。
遠くに津軽の山が見える
登り下りを繰り返し入道崎に着く。草原の岬に灯台が立ち、良い景色なんだが、けばけばしい土産物屋が建ち並び、演歌がスピーカーで鳴らされている。素通りをして、岬の端の方で休憩をする。充分美しい、北緯40度の石碑や丁字の句碑などがあり落ち着く処だ。ベレー帽の青年が物思いにふけっており、情緒があるなと思いきや、彼の座っていた跡には空の弁当箱がうち捨ててあった。どっちらけだ。
菅江真澄という紀行家が文化元年に男鹿を旅しており男鹿の五風という紀行文を書いておられるようだ。芭蕉は秋田まで来なかったけれど似たような人物はおるものだ。
入道崎の灯台と北緯40度の線(岩の隙間)
入道崎から南に向かう海岸線はこれまた絶景で、たおやかな海と岩礁、そして遙かに続く灌木の緑がマッチして飽きさせない。そして何より車も少なく、景色を独り占め出来ること。それにしても今日の海はなんと静かなんだろう。一昨日白波を立て吹き付けたあの同じ海とは思えない。
潮騒の 音たちやみて 男鹿の海 うとく
入道崎からの海岸線、右は戸賀の海岸大きな岩の影に灯台のある島が宮島
アップダウンを繰り返し、戸賀という入り江に到着、その入り江の端に塩戸というところがある。ここには宮島と呼ばれる岩礁や水族館があり、彼の菅江翁も書をしたためているところである。水族館は何の興味もないのでやり過ごすが、周りの景色は美しい。
瀬音無き 塩戸の浦の 鴎哉 うとく
(しおと、掛けてみました)
左手の山、真山、本山、毛無山はすぐそこに迫って来て急峻な道となる。嫌というほどアップダウンが続き、さすがにくたびれてくる。白糸の滝とか孔雀ヶ窟とか烏帽子岩とか色々出てくるがどうせ道からは見えないだろうとやり過ごす。一番つらいのは、これから行かなければならない遠い道が見えることだ。遙か彼方にかすんでいる。
遙か彼方に見える道と椿の群生
椿というところで足を止める。椿の自生北限という。国の天然記念物である。案内看板の上の小山に群生している。男鹿半島は寒いところと思うが、実は男鹿半島南西面のこのあたりは秋田でも暖かい処だそうだ。海流のせいなのか。今日の行程でもこのあたりが一番暑く感じられる。現に朝からコオロギの鳴き声ばかりだったのが、桜島から椿の間だけ蝉が泣き続けていた。船川から後はまたコオロギの声となるのである。不思議なことだ。
北の椿 背ひくうにして は色濃し うとく
蟋蟀の あるじかはりて 蝉しぐれ うとく
すっかり海沿いに降りて坂も無くなった頃、鵜ノ崎海岸にでる。日本の渚100選に選ばれているとか、丁度干潮時で岩礁が数百メートル続いている。
うのさきに 潟ひろごりて 巌たつ うとく
(卯の先に辰を掛けてみました)
鵜ノ崎海岸
男鹿市から先は昨日来た道なのだが、実はここには秋田男鹿自転車道というのがあってあの煩わしい国道を走らなくてもいいようなのである。ところが道標、案内看板等見つからず往路でもよくわからなかったのである。帰路はなんとか探し出して気持ちよく走ろうと目をこらして走る。脇本で思い切って海沿いの小道に入ると、どうやらこれらしい。
船越まで半時間ほど気持ちよく走るが、国道に出てしまう。なお、この間道標、案内一切無し。天王グリーンランドに案内看板があり、秋田まで海岸沿いを走れそう。30分も走ったか、この間は道標、距離看板しっかりあり海沿いの最高の道である。
ところがいきなり「工事中立ち入り禁止」の立て看板あり、クレーン車や飯場がある。
ちょっとまてよ、予告看板も迂回路も無いんだぜ。ままよと自転車を押しながら工事現場を歩いてゆく。ところが先々まで工事は続いているようできりがない。そのうち現場のおじさんが出てきて、道にあがるよう指示される。上がったところが県道56号線、一瞬高速道路かと思う道である。結局その歩道を南進、ついには秋田港のひどい歩道を走らされ
散々の走行であった。8月に走った小松の自転車道と同じ結果である。行政は自転車道なんて眼中にないのだ。もし秋田に自転車文化を追求する市民運動が存在したら、この自転車道を再度世に出してほしい。この道が出来たとき、きっと鳴り物入りの画期的な道であったろう。来年の国体に向けてチャンスだと思うが。
走行81Km 累計 2、001Km 費用13,232円
★ 国民宿舎男鹿 一泊二食 7,300円 お風呂良し、料理、設備は値段どお りか。一人客値段アップは気にくわない。