2020.5.4(月)快晴
ホモサピエンスがネアンデルタール人より多産であったから生き残ったというのはよくわかるが、人類そのものも競合する他の動物よりも多産であったために今日まで生き残ったということでもあるだろう。それは直立二足歩行についての考察のところでも書かれている。直立二足歩行は生物界では非常に不利な立場である。最大の欠陥は走るのが遅いことである。安全な樹上から平地に下りてきて、見つかりやすく逃げるのが遅い人類は肉食動物には恰好の餌食である。
人類は肉食動物に襲われ喰われてても喰われてもそれ以上に子どもを産んで生き残ったということだが、どうもしっくりこない。人類が多産だと言われても本当かなあと思うのが普通ではないか。その上人類は子どもが成長するまで随分時間が掛かる。これは生存競争にとっては大変不利な状況である。本来ならば肉食獣に襲われても逃げられる状態になるまで胎内に居るべきなんだろうが、そこまで居ると出産が不可能となる。早産にしなければならなくなった理由は直立二足歩行である。人類が多産であるとすれば、発情期が無いのはそのひとつの現象では無いかと思っている。妊娠期間が10ヶ月あっても、出産後すぐに妊娠することができる。そして出産時期が年中どの時期にも散らばっているというのは生存に有利であることは間違いない。発情期が無いのは人類だけかと思っていたら、ネズミなんかも無いそうだ。なるほど弱い動物ほど多産といえるようだ。
進化(自然淘汰)を学ぶことは面白い。人間の身体の仕組みや健康、病気を考えるときに実に理解がしやすくなる。例えば現在の最大の課題である新型コロナウィルスだって、進化と言うことをベースに考えるとわかりやすい。単純な構造で猛烈に分裂を繰り返すウィルスだから、人類が何万年も掛けて行う進化を数ヶ月でやってのけてしまうわけだ。次はジョン・コーエンの「チンパンジーはなぜヒトにならなかったのか」だ、楽しみである。おわり
【今日の”のびちゃん”】NO. 31
良い季節になり、散歩もロングコースを楽しんでいるのだが、このコースから昨年の逃走事件のルートがよく見えるのである。
見えている稜線は一山向こうになっており、真ん中のピークが⑤尾根の頭でその麓にのびが居た。その左の稜線が悲壮な思いで探し回った山々である。ここを通るたびに思い出すのだが、のびがあの稜線を歩いたかは謎である。(2020.1.26参照)