晴徨雨読

晴れた日は自転車で彷徨い、雨の日は本を読む。こんな旅をしたときに始めたブログです。

笑いの免疫学 3/6

2021-03-06 | 雨読

2021.3.6(土)雨
 「笑いの免疫学」船瀬俊介著 花伝社2006年初版 借本


 慢性腰痛をなんとかして治したいと思って、病院、鍼灸院を巡り、あらゆる本やテレビ番組をあさっていたとき、タイムリーに「脳で治す」「こころで治す」といった治療法が世に出てきた。認知行動療法というものなんだが、30年来の腰痛が実に見事に完治しもう5年になろうとしている。東大の松平先生や福島県立医科大の紺野先生、信州大の谷川先生などがこの分野で活躍されているのだが、誰だったろうかテレビ番組で「慢性腰痛にはため息と作り笑いが効果的」とおっしゃっていた。意外な発言で驚いたが、ため息は酸素をしっかり取り込むため、作り笑いは鎮痛効果のあるセロトニンを分泌するためと納得し実践してみる。ため息は自分のためにはよくても周囲には悪い影響を及ぼす、深呼吸や腹式呼吸なら効果は同様と考え、丹田呼吸法を実践することにする。
 痛みというのは腰痛に限らず身体の異常を知らせる重要なシグナルである。ところがどんな微細な痛みも情報として脳に送られるものだから、脳で整理されるのだがこの機能がうまく作動しないとなんでも痛みとして感じてしまうというものだ。作り笑いがこの機能に効果があると聴いてウオーキングと作り笑いをドッキングさせる。じょんのびウォーキングのモットーを「笑外(生涯)歩く」としたのもそのためである。歩きながら自分の身体に集中するといろんな痛みがあることに気づく。そこで作り笑いをして歩くとやがて痛みは消えてしまう。ところがいつまでたっても消えない痛みもある、これは対処しなければいけない痛みである。歯の痛み、肩の痛みで実際に体験した。笑いは不要な痛みを解消してくれるのだ。笑いは脳やこころが原因の腰痛を完治させる事が出来るのだ。
 そのほかに、怒りを静める、緊張を解く、人間関係をよくする、肉体的な苦痛を取り除くなどの効果を実体験した。トレーニングをしていて苦しくなったら誰もがしかめっ面になる、ところがそこで笑顔にすると随分と楽になるのだ。これはいつでも誰でもすぐに体験できる。
 2018.5.31讀賣新聞に「お笑いがんに効果あり?」という小さな記事が掲載された。大阪国際がんセンターががん患者に落語や漫才を鑑賞させて免疫のNK細胞がどう変化するかという実証実験である。そしてその検証結果の一部が6.29讀賣新聞に掲載された。落語などを鑑賞した患者のNK細胞を活性化させるたんぱく質を造る能力が、鑑賞しなかった患者の1.3倍上がったということである。笑いに免疫力を高める効果があるということが実証されたわけだが、こういった笑いの効果を書いているのが本書である。
 つづく

コメント (1)
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