晴徨雨読

晴れた日は自転車で彷徨い、雨の日は本を読む。こんな旅をしたときに始めたブログです。

丹波西国道中記・四日目-2

2023-10-05 | 徒歩巡礼

2023.9.29(金)快晴 塩久~高源寺~岩瀧寺 観音さまが居ない?
 経費 バス代 880円 (京都バス 450円 神姫バス 430円)
    電車代 420円 (石生~福知山)
    駐車  300円
    朱印  600円 (高源寺、岩瀧寺)
    賽銭  100円 高   

    合計 2,300円
 山辺の街道を進み、適当なところで加古川を渡る、氷上西高のところだ。干上がった加古川沿いに歩き、休憩所があったので昼食とする。飯を食いながらいろんな話をするのだが、英樹君の波瀾万丈な生き方に驚く。わたしも大概好きな様に生きてきたが、彼はそれ以上だ。一番驚いたのは、わたしが初めて沖縄に行ったとき、それは沖縄返還の翌年(1973年)の3月なんだが、誰も居ない何も無い川平湾に感動したのだが、彼も同じ時にそこに居たそうだ。誰も居ないはずの川平湾にひとりテントを張って原始生活している学生さんがいた。シャコ貝の殻を鍋にして、あの馬鹿でかいトカゲを煮て食ってるんだから驚きだ。天理大の学生さんだと思ったが、英樹君もその子を知っていたから間違いない。わたしはその後東京に帰ったが、彼は石垣に残り小屋を建て、潜水の免許を取りスキューバダイビングのインストラクターをしていたと言うから凄い。巡礼も二人で行くと面白い話が出てきて楽しい。
 話がそれてしまったが、昼食を終えて一本南の旧街道に出たとき、角に道しるべを見つける。
 左いくの 右由し満
 「左いくの 右由し満」いくのは生野で良いが、由し満とは何処だろう。「丹波の古道」(奥谷高史)によると湯島道中とあって、但馬国湯島が今の城崎温泉だそうだ。この道しるべネットで調べると「左京大坂」とも書かれており、もう一面には年号らしき文言もある。もう少ししっかり見れば良かった。
 加古川に沿って国道427号線を行く、歩道があって歩きやすいが退屈な道だ。商店や農園の看板に足立姓の多いことに気づく。福知山に多い足立姓のふる里なんだろうか。やがて道の両側に紅葉の並木が始まり高源寺の近いことを匂わす。左手に高源寺の駐車場が現れる、紅葉の季節には大型バスが何台も駐まるそうだ。

 高源寺到着、自然石の石段が素晴らしい。紅葉はまだ青々。
 生憎本堂は工事中でシートに覆われている。もう少し石段を登って方丈横の納札所に行く。大黒さんらしきご婦人が朱印を書いてくれるのだが、「ここには観音様はおられないのですよ」と言われる。志保美円照さんの冊子には観世音座像と記してあるのだが、お寺の方がおっしゃるのだからそうなんだろう。代わりに三重塔の毘沙門天にお参りする。
 三重塔の頭だけが望める。
 紅葉の頃はさぞかしと思いつつ高源寺を後にして、元来た道を歩く。国道から分かれて、篠山街道の町並みに入ると、土塀の家や旧い商家らしき家が続き、屋号を着けた薬屋さんや酒屋さんがあってとても嬉しい。カーテンを閉めた多くの家もかつては商売をしていたのだろう。こんな町並みがいつまでも残って欲しいと思うのだが、なかなか難しいのだろう。
 町並みを抜けるとつまらない道になるのだが、道ばたに立派な地蔵堂などあって篠山街道のおもかげが残っている。午後の日差しがきつい上に退屈な道なので二人とも黙って歩く。1リッター用意した梅麦茶も残り少なくなってきた。ようやく岩瀧寺への入り口、香良口に着く。3時15分、バス停で時刻を調べると、柏原(かいばら)行が16:20、岩瀧寺まで2Kmだから微妙な時間である。とにかく急ぎ足で歩くと2Kmがやたら長い、行きすぎたのではと不安になり始めた頃左手に大きな病院が現れ、その先でようやくお寺の雰囲気が出てきた。右手の坂を小走りで登ると本堂に着いた。香良口から30分かかっている、滞在可能時間は5分余り。納経所は人の気配が無く、料金箱と朱印が数枚置いてある。花の寺とか丹波古刹とかの朱印で、丹波西国がない。どうやら丹波西国を巡っている人はあまり居ないようだ。やむなく丹波古刹第八番の朱印をもらい、料金を払いお参りをする。
 丹波西国第七番の印が欲しいのだが。 茅葺きの観音堂は珍しい。
 茅葺きの観音堂でしっかりお参りしたいのだが何しろ時間が無い。手だけ合わせて帰ろうとすると、大黒さんとおぼしきご婦人が出てこられた。先ほどの朱印の件も聞きたかったが、その時間も無い、お礼だけ言って出発する。独鈷(どっこ)の滝とか浅山不動尊とか行きたかったのだがそれどころでは無い。
 元来た道を速歩で下っていく、25分でバス停に到着、間に合った。最後の水を飲みきって今日の巡礼おしまい、次はこの香良口バス停から始まる。復帰目指してリハビリ中の英樹君は痛み止めの薬持参で頑張った。「痛みも出ずに頑張れた、なんか吹っ切れた気がする」と満足の様子。わたしとしては歩きそのものは大満足だが、二つの寺院の参拝が中途半端でちょっと残念。まっ次回に期待しよう。合掌

コメント
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